もうすぐクリスマス。楽しみなのが、クリスマスケーキですが、今年は、ケーキに欠かせないイチゴが値上がりしています。ケーキ作りに関わる人たちにとって、今年のクリスマスは甘くはないようです。
クリスマスといえば、イチゴがのったケーキ。
富山市のこの店では、1500個以上のケーキを販売する予定で、その多くにイチゴを使います。
しかし、今年はイチゴが品薄で、仕入れ値が上がっています。
パティスリークロト 森田亮オーナーシェフ「うちの店とかだと、去年のクリスマス時期の2、3割は最大で上がるんじゃないかなと考えてます。いや不安しかないですね。市場さんと相談しながらこうしよう、ああしようっていうのは話して不足にならないようにはしてます」
夏の暑さでイチゴの生育に遅れ
イチゴ栽培の現場では何が起きているのでしょうか。
「紅ほっぺ」など3種類のイチゴを栽培している射水市の農家です。
アグリッチ・農園 松本剛明代表「今このように実がまだ青い状態で、例年だともうちょっとふくらんで赤くなってきてもいい頃なんですけれども、まだこの緑色のまま生育が遅れている状態です」
生育は例年に比べて10日から2週間ほど遅れています。
「夏の暑さの影響でイチゴの花の開花が遅れた、それが一番の原因です」
本格的な出荷は年明けになる見込みだということです。
「ケーキ屋さんとか洋菓子店さんから、クリスマスに向けて、いっぱい注文はいただいてたんですけれども、秋の時点で全部お断りさせていただいているという心苦しい状況になっています」
入荷量が例年の半分程度に 仲卸業者 「今年は争奪戦」
また、県内の洋菓子店にフルーツを卸している仲卸業者は、イチゴの入荷量が例年の半分程度に落ち込んでいると話します。
かねぶん青果 亀谷慎一社長「主に富山のほうはですね、愛知県産であったり、岐阜県産がメインなんですが、それ以外の産地のほうも、今一生懸命、要請してまして、クリスマス前の20日前後ですね、ほんとに私もいまだかつて経験したことないような状況になるかな、と、今のところ思っております」
「争奪戦ですね、今年は」
原材料全般値上がり 価格抑える工夫も
今年、クリスマスケーキ作りにとって痛手なのは、イチゴの値上がりだけではありません。
この店では卵や牛乳、小麦粉、砂糖など原材料全般が、平均で去年より20パーセントから30パーセント値上がりしました。
企業努力だけでは吸収できず、生クリームを使うクリスマスケーキの価格を上げ、5号では、およそ400円値上げしました。
一方でクリスマスの勤務を交代制にしたり、作るケーキの数を抑えたりして人件費の削減につなげ、ケーキの値上げ幅を少しでも抑える工夫をしています。
森田亮オーナーシェフ「少しでもお客様にクリスマスを楽しんでもらいたいなというので、できるだけ上がり幅を抑えるっていう感じでやったので。1年間の感謝の気持ちを込めたクリスマスになるので」
お店にとってかき入れ時のクリスマスですが、今年は悩みが絶えないですね。
一方、イチゴ農家の松本さんは、収穫は遅れるものの品質に問題はないとみていて、地元のイチゴを多くの人に食べてほしいと話しています。
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