無断・架空党員登録が問題になっている自民党、富山1区選出の田畑裕明議員について、自民党富山県連はきょう、1区支部長は県連からの申請がなければ選任しないことを党本部に申し入れ了承されました。期限は無期限で、支部長不在の状況が続く異例の事態です。
また、田畑議員の県連常任顧問の役職を解任するとしました。
■自民党富山県連 宮本幹事長「重い対応を取ることになった」
上野キャスター「自民党富山県連の常任総務会が開かれます。田畑議員の党員登録問題、その対応についての結論が出る見通しです」
常任総務会はきょう午後、県議会議事堂で行われ、県連の宮本幹事長や富山市連の中川支部長など、自民党の県議会議員全員が出席しました。
会議は、冒頭以外は非公開で行われ、県連として田畑議員への今後の対応について意見を交わしました。
田畑議員は先月の会見で、本人に無断で登録したり、架空の名前で登録したりした自民党員が262人にのぼることを明らかにし、その党費は亡くなった親戚や自分の父親が支払っていたとし、自らの関与や責任はないとしました。
自民党県連はきょう、この問題への対応を決め、宮本幹事長が会見して公表しました。
自民党県連 宮本幹事長「今回、県連からの要請という形で、選挙区の支部長に関して、県連からの申請がなければ支部長を選任しないことを、党本部に申し入れさせていただきました。党本部からも承諾をいただいております」
田畑議員が支部長を務めてきた1区支部について、県連からの申請がない限り、支部長を空席とするよう党本部に要請し、承認されたとしました。
国会議員を処分することは県連ではできない中、党本部に県連としての思いを尊重してもらったとしました。
宮本幹事長「離党勧告を上申したり、辞任を勧告する案件かどうかということも、党本部とすり合わせながら、それと同等ぐらいの重い対応を今回取ることになったと思っている。(支部長が)いつまでも空席は心配だが、県連の思いを尊重して、期限を決めない」
また常任総務会で、田畑議員の県連常任顧問の役職を解任したと明らかにしました。
宮本幹事長「支部長や常任顧問に復帰するにしても、党員、有権者に理解をもらうまでは、県連主催行事、公の場への参加は辞退してもらう」
選挙区支部の支部長は、次の総選挙の公認候補となるのがルールで、新たな支部長選びについては次のように述べました。
宮本幹事長「第1選挙区や市連と協議だが、組織内でこの人に決定しましたというような考え方では納得できないと思う。内部でものを決めたというわけにはいかない」
田畑議員が支部長の候補に含まれるかどうかについては。
宮本幹事長「擁護するわけではないが、どんな形で説明責任を果たすかは本人次第。今後、有権者の前に出てどんな発言をするかを重視している」
宮本幹事長はこのように述べ、次の公認候補選びは、きょう始まったとしました。
宮本幹事長「そういう事が動いているのは事実です。水面下とかではなくて、きょうから支部長を選ぶことを念頭に置いて、いろんな物事が動いていくということだと思います。スタートしました」
■富山市連 中川支部長「離党に近い」
一方、10月の衆院選で田畑議員を推した富山市連の中川支部長は。
富山市連 中川支部長「離党に近い決断だと思います。県連でも常任顧問を解くといったようなことで、自民党県連の行事などに参加できないということなんですよね。市連においてもこれから協議しますけど、同様の取り扱いになるのではと思っている。ですから党活動に参加できないことは、かなりの制約があって厳しいだろうと思う」
10月の衆院選で田畑議員を推した市連の責任については。
中川支部長「これまでの実績や、本人も頑張りたいと、皆さんの負託に応えたいと、チャンスを与えてくれと懇願されたわけでありますから、こういう事件がなければ、ずっと続けてもらいたかったわけですが、まさか、ということになってしまったことについては、まずはおわびしたい」
今後の支部長選びの方法や時期については。
中川支部長「状況を見て判断、手を挙げる方式か指名方式か、いろんなやり方がある、状況によって判断していかなくてはいけない」
中川支部長は、本格的な支部長選任は、来年4月の富山市議選、市長選の後に行う方針であることを示しました。
きょうの自民党県連の対応に対して、田畑議員は事務所を通じて「大変厳粛に受け止めています。今後とも自民党県連所属の国会議員として信頼回復に努めます」などとコメントしました。
この記事の動画はこちらから再生できます