自民党の派閥の裏金事件をめぐり衆議院の政治倫理審査会は、きょう、富山1区の田畑裕明議員の審査を行いました。
田畑議員は、68万円の裏金を受け取っていましたが、「自らは当初は知らなかった」とこれまでの説明を繰り返しました。
また、田畑議員には「入金のみ」のパーティー券の問題や無断での党員登録問題などでも質問が相次ぎ、「疑惑のオンパレードだ」と指摘する声もあがりました。
きのうから始まった、衆議院の政治倫理審査会。田畑議員は、開始予定の午後1時の3分前に会場入りしました。
田畑議員は、パーティー券の販売ノルマを超えた分として旧安倍派からキックバックされた資金が3年間で68万円ありました。
神林記者「田畑議員が、きょう、この後の政倫審に出席します。派閥の裏金問題はもちろん、ご入金のみパーティーや無断・架空での党員登録問題などの追及にどのような説明をするのでしょうか」
きょうの政倫審では、最初に田畑議員から説明がありました。
田畑議員「私は今回の件が問題となるまでそのことを知りませんでした。還付金につきましては事務所内でそのまま現金で保管し一切使用せずに保管していたとのことでした。私自身、会計責任者を全面的に信頼しており、適正に収支報告していただいているものだと信じ切っておりました。大変ずさんでありますが、認識していなかったということであります」
このように述べ、裏金問題での自らの関与を否定しました。そして今後の対応について次のように述べました。
田畑議員「謙虚な姿勢、また国民の皆さんに対して正直に真摯な姿勢であることをしっかり受け止め、またわきまえて言動、行動して参りたいと存じます」
これに対し、野党議員からは、裏金問題以外でも厳しい質問が相次ぎました。
「入金のみ」の選択肢を設けてパーティーを開催しようとしたことについては。
立憲民主党 中谷議員「これが田畑方式と呼ばれて大変問題になりました。私の知人なんですけども、田畑議員の問題になったパーティー券を買ったという方がおりまして、今後の対応につきましては詳細が決まり次第改めてご連絡をさせていただきますというはがきが届いたのですが、それっきりで電話1本もなくつい先日も事務所に電話をしたのですが、改めてご連絡をしますとの説明があったとのことでした。あの半年間も返金がされていない状況は、ご説明と現状内容はあまりにも食い違っていると思いますがいかがでしょうか」
田畑議員「今はその当該の方にまだ戻っていないということであれば、すいません、急ぎ確認をしたいというふうに思いますが、今お答えできるのはそういう状況でございます」
また、田畑議員には、無断・架空の党員登録が262人分あり、先月の会見では親戚や父親が党費を支払っていたと答え自らの関与は否定しています。この問題も質問されました。
中谷議員「党費262人分は50万から100万ですよ。こんな金額を肩代わりし続けるということを誰が信じるのかと厳しい意見が報じられているんですけども、この説明に嘘はないと国民に誓いますか？」
田畑議員「はい、私が会見で説明した通りでございます」
中谷議員「何か主張を裏付けるような証拠や根拠はありますか」
田畑議員「口裏合わせだと思われるような言動を取ったことにつきましては本当に申し訳なく不信感を与えたことについてお詫びを申した説明をさせていただいたところでございます。しっかり信頼回復のためにまた職務に邁進をさせていただきたいというふうに思います」
中谷議員「国民の代弁者である議員が口裏合わせを依頼したり、説明責任を果たすことをしないまま、今の職にしがみつくことをあなたは恥ずかしいことだと思いませんか？」
田畑議員「はい、これまでもしっかり説明を尽くしてまいったところでございます」
中谷議員「さすがの自民党の富山県連もですね。田畑議員の選挙区支部長への選任、これを無期限で認めないという方針をされました。今後、支部長の選任を自らが目指す考えはありますか？」
田畑議員「今般の富山県連の判断につきまして私がこの場でコメントできる立場ではないというふうに思っております」
中谷議員「この富山県連の対応もそうなんですが、田畑議員の認識も対応も極めて甘い。田畑議員自身ですね、統一教会の問題から始まり、裏金の問題、そしてこの幽霊党員の問題、また先ほど指摘をさせていただいたパーティー券のまさにこの偽装購入疑惑ですよ。疑惑、疑惑、疑惑のこのオンパレードが続いている状態に対してですね、国民を馬鹿にしてるんじゃないかと率直に思いました。その中で田畑議員、ここまで疑惑が出ているわけですから、議員辞職をして、一から出直されるそういったお考えはありませんか」
田畑議員「先ほどからも申し上げておりますが、深い反省のもとに立ちですね、信頼回復のために今の職務をしっかり全力で尽くして参りたいというふうに存じます」
田畑議員は、質問に対し、「仕事で恩返しする」「有権者に真摯に耳を傾ける」「説明を尽くす」などと答えていましたが。
終了後、田畑議員が退出するところを呼びかけると。
記者「田畑議員、お話を聞かせてください、お願いします。不適切な党員登録問題について会見を開かれる予定はありますか富山県の記者クラブで要請していますが、説明責任を果たされていると思いますか、田畑さん！」
田畑議員は、無言で立ち去りました。
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