富山県民なら一度は訪れたことがあるのが魚津市の魚津水族館ではないでしょうか。
施設の老朽化が進んでいるため、先月からクラウドファンディングで支援を募っています。
小丸記者のリポートです。
魚津水族館のバックヤードです。
魚津水族館 不破光大学芸員
「配管支えが錆びて取れちゃってるんですよね、それでぐっと下がってきちゃったので、飼育員が日曜大工で作って、支えているような、状態ですね」
魚津水族館の現在の建物は、1981年に開館した3代目です。
初代は1913年、北陸本線の全線開通を記念したイベント会場として開館し、2代目は1954年、富山産業博覧会の会場としてオープンしました。
111年という国内で最も長い歴史を持つ水族館です。
3代目のこの建物も開館から43年が経ち、老朽化が進みいたるところで不具合がでています。
設備の更新と修繕が不可欠な状況です。
深海生物のコーナーでは。
不破学芸員
「ここ見て分かりますかね、これ水漏れして海水から塩が出ているような状態で、今は漏れは止まっているんですけど、このままでは長く展示できないので、ここは修理の対象になっていますね」
このコーナーでは以前はベニズワイガニやゲンゲなど深海生物を展示していました。
今年に入って水の冷却装置が壊れたため、今はウマヅラハギやカミナリイカなど、海の浅いところに生息する生き物を展示しています。
不破学芸員
「ちなみに隣の水槽も漏れていて、今、魚が入っていない状態ですね、標本入っていますけど、これは苦肉の策で、水入れられなくなっちゃったので、今は標本展示という形でしのいでいますね」
そして水族館の人気スポット、富山湾大水槽も。
不破学芸員
「これも3代目開館当初からあるトンネルなんですけど、ここから今少しずつ水漏れあって、タオルあててあるの分かりますかね」
海中トンネルの継ぎ目から水が漏れているのが確認されました。
不破学芸員
「これがあまりにも激しいとちょっと、ここに危険で入れなくなっちゃうので、もう直さなきゃということで。魚は元気ですハハハ」
魚津水族館では、生き物の飼育に必要なろ過装置やポンプなどの設備を、優先して計画的に更新してきました。
しかし、予期せぬトラブルが相次いでいます。
不破学芸員
「今もう40年以上使っている状態って考えると、もういろんな箇所に劣化がでてきてもおかしくないというような状態なので」
魚津水族館は毎年およそ5000万円を設備の更新や修繕の費用に充てています。
新たな財源を確保しようと、先月から、2000万円を目標にふるさと納税型のクラウドファンディングで支援を募っています。
一口2000円から受け付けていて、魚津市は、市外からの寄付については、額に応じた返礼品も準備しています。
不破学芸員
「直接(現金)持ってこられる方もたくさんおられるんですよ。やっぱいろんな方に愛されているんだろうなという。本当にありがたいですね、思い出語っていかれると本当涙でそうになるくらいありがたいです」
全国からの支援で、今月21日には目標額の2000万円を超えました。
改修工事は来年2月から1か月休館し、実施する予定です。
高田弘美館長
「この水族館をなんとしても次代に引き継いでいきたいという思いを持っております。なんとか残るように頑張ってくれという熱い皆さんの思いをいただきまして、本当に水族館に対しての愛情というものを、本当に感じまして、なんとしても、水族館を残していかなくちゃいけないなっていう思いが一層強まった感じです」
目標額は達成しましたが、持続可能な運営に向けて魚津水族館のクラウドファンディングは来年1月30日まで継続するということです。
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