インフルエンザの流行が県内でも拡大しています。先週の1医療機関あたりの平均の患者数は警報レベルの30人を超えました。医師が語るこの冬の感染の傾向とこれから注意する点を、助田記者がお伝えします。
富山市の八木小児科医院です。
けさも発熱などの症状を訴える子どもたちが診察に訪れ、インフルエンザの検査を受けるなどしていました。
医療の現場での今シーズンのインフルエンザの傾向は…
八木小児科医院・八木信一 院長「年末くらいから成人も子どもも流行し始めたんですが、主に成人の方のほうが多くて、小児においてはちょうど冬休みに入る時期にいったん減ってきまして、新学期に入ってから少しずつ増えている状況にありますね」
県によりますと、今月12日までの1週間に県内の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は1医療機関あたり34.6人に達しました。
今シーズン最も多かった去年の最終週を上回り、警報レベルの目安となる30人を超えました。
県内すべての地域で増えていて、砺波厚生センター管内では44人に達しています。
八木信一 院長「今年流行しているタイプのインフルエンザが2009年に新型インフルエンザと言われたタイプのAH1というタイプなんですが、このインフルエンザというのはコロナ禍前後、ここ数年あまり大きな流行がなかったんですね。そういう影響も考えるとここ数年かかっておられない成人の方々が非常に多くこのタイプのインフルエンザにかかっておられる」
またきょうの発表では、新たに小中高校10校で学年閉鎖や学級閉鎖の措置を取りました。
今シーズン、県内で学年・学級閉鎖などの措置を取った施設はのべ34か所にのぼっています。
八木院長は子どもの感染は今後さらに増えると見ています。
「学校が始まってちょうど間に連休をはさんだりしてるのもありますので、連休あけの今週から来週、2月の上旬にかけて増えてくるというふうに考えられます」
こうした状況の中、沢井製薬はインフルエンザの治療薬「タミフル」のジェネリック医薬品が、需要の増加で生産が追いつかなくなったとして供給を一時的に停止しました。
ただ、この医院では大きな影響は出ていないといいます。
「インフルエンザの薬はいろんな種類の薬がありますので、それをバランスよく使っていただくことも大事ですし、例えば軽い症状であれば必ずしもインフルエンザの抗ウイルス薬を飲まなきゃいけないということでもない」
インフルエンザの流行は今後もまだ続くとみられます。
受験シーズンなどを前に注意が必要です。
マスクの着用や手洗い・うがいといった基本的な感染予防対策をしっかり行うことが大切です。
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