先週からの大雪では、道路にも多くの雪が積もり、自治体や除雪を行う業者は、対応に追われました。一方で、除雪の進み具合が地域によりばらつきがあるなどと指摘する声もありました。今回の大雪での除雪の状況と課題を振り返ります。
先週から県内を襲った大雪。
積雪量は、富山市で2021年以来4年ぶりに70センチを超えました。
雪かきする人「どこも行けないですね、きょうは一日雪よかしの日ですね」
県民の生活を支える道路でも、自治体から委託を受けた建設業者が連日除雪にあたりました。
富山市の林土木です。
水橋地区を中心に毎日10台以上の除雪車両を稼働させました。
除雪車両に15年以上乗っているベテランオペレーターは、今回は雪が長く続いたため作業が難航したと話します。
林土木 舗装部オペレーター・堀田潤一さん「ことしは連続的に雪が降って、なかなか雪のやり場がないというか、除雪終わった後に雪が降って、圧雪になって圧雪になった状態の雪を除雪するときはなかなか時間も手間もかかり大変」
林土木 舗装部オペレーター・村井教子さん「車線の確保は一般車が安全に通れるように拡幅をなるべくするようにしたが、雪が多かったので苦労した」
ばらつきがみられた富山市内の道路除雪
一方で、富山市内では地域により除雪が追いつかず、進み具合にばらつきがみられました。
山田記者「こちらの道路、このように1車線に多くの雪が残っていて通行しづらい状況となっています」
また、富山市の清水町地区では雪がピークを過ぎた今月9日になっても除雪が進んでいませんでした。
住民「除雪車があまり来ていなくて融雪装置もなくて、降ると結構がたがたになって大変」
除雪機で地域を除雪する人「この辺りは例年除雪があまりよくないので(市から除雪機を)借りて。できるだけのことをしようと思ってやっている」
除雪への対応 課題となるのは
車の大規模な立ち往生が発生した4年前の記録的な大雪を受けて、県や各市町村は雪や道路の情報収集や、住民への情報提供などで態勢の見直しをはかりました。
しかし除雪にあたる業者が急に増えるわけではありません。
根底にある問題の1つが高齢化と担い手不足です。
県建設業協会がおととし、会員企業を対象に行ったアンケートによると、除雪車両の操縦を担う技術者のおよそ4分の1が60歳以上です。
富山市は取材に対し「高齢化などが進む中で業者側の体力的な問題もあり、あらかじめ設定したエリアや計画の通りに除雪をこなせなくなっている場合がある」と認めました。
進まない技能習熟 経験者の確保も難しく
また「除雪の技術」についても訓練を積む機会が少ないと指摘されています。
県が行っている除雪の講習会は今年、大雪の影響で延期になったほか、コロナ禍などで開催できなかった年が目立ちます。
林土木 舗装部・石黒庄三部長「実際問題(人手は)うちでも足りない。経験者の確保は難しいので、できるだけ若い人を早いうちに機械に乗せたいと思うが、そういう機会が少ない。今回みたいに降ったらいっぺんに降る。経験させるタイミングが少ない」
富山市は、それぞれの業者の現状も踏まえて担当するエリアの見直しや、手が足りない地域には他の地域担当の業者も回るなど、臨機応変な対応を来シーズン以降に向けて検討したいとしています。
高齢化が除雪体制にも影響を与えていますが、それを前提として持続可能な体制に知恵を絞ることが今回の大雪の教訓と言えそうです。
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