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激しさ増す次世代「HBM4」技術競争…注目集める韓国サムスンとSKの動き

KOREA WAVE 2024年5月18日 10時0分

サムスン電子のHBM3「アイスボルト」=サムスン電子(c)KOREA WAVE

【KOREA WAVE】記憶用半導体メモリーのDRAMチップを積層して高速・大容量のデータ処理を可能にする「HBM(広帯域メモリー)」の第6世代「HBM4」を巡る技術競争が激しさを増している。

HBM4は早ければ来年から量産が始まる。業界関係者によると、韓国のサムスン電子がHBM4に第6世代DRAMを適用する案を検討しているという。ライバルのSKハイニックスも市況によって流動的な戦略を展開すると観測される。

HBMは、複数のDRAMを垂直に積層し、TSV(シリコン貫通電極)で連結したメモリーだ。このため、DRAMの性能がHBMの性能に直接的な影響を及ぼす。

当初、サムスン電子は来年から量産化するHBM4に、10ナノメートル級の第5世代DRAMである1b DRAMを適用しようとしていた。1b DRAMは線幅が12ナノメートル水準で、サムスン電子が昨年5月に初めて量産に乗り出した。サムスン電子が今年量産化するHBM3E(第5世代高域帯メモリー)の場合、1a DRAMが適用された。

しかし、サムスン電子は最近、HBM4に搭載するDRAMを1c DRAMに変更する案を立てた。SKハイニックス、マイクロンなど主要ライバル会社がHBM3Eに1b DRAMを適用しており、HBM4は全工程領域からリードするという戦略とみられる。

事情に詳しい関係者は「現在、HBM4は12段、16段積層に関係なく1c DRAMに向かっている。一世代遅れたDRAMでは、電力使用量の問題が発生するという懸念が強く、開発を加速させたいのだろう」と明らかにした。

ただ、サムスン電子が実際に案を実行するかについては、まだ見守るべきだという観測も出ている。

サムスン電子が1c DRAMの量産ラインを構築するのは今年末で、生産能力は月3000枚と推算される。目標としたHBM4の量産時点と差は大きくない。

通常、メモリー業界は最先端DRAMをコンピューターやモバイル向けに順次開発し、その後安定性を確保した後、HBMに適用する過程を経てきた。これを考えれば、HBM4の量産時点で1c DRAMの収率を担保することが難しい可能性がある。

また別の関係者は「サムスン電子の役員や実務者の間では、HBM4に1c DRAMを適用し、量産目標時期も来年末から中・後半に操り上げるなどの議論も交わされている。ただし、収率に影響されるため確定したものではなく、まだ計画段階と見なければならない」と話した。

一方、SKハイニックスはサムスン電子の初期戦略と同様、HBM4には1b DRAMを、HBM4Eからは1c DRAMを適用する計画を立てている。ただ、SKハイニックスも市況によって適用技術を流動的に変更する余地を依然として残しているという。

業界関係者は「サムスン電子がHBM4に適用するDRAMを操り上げれば、現在業界をリードするSKハイニックスとしても危機感を抱かざるを得ない。SKハイニックスもロードマップは立てているだろうが、内部的に変更に対する余地を継続して残していると理解している」と述べた。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News

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