【KOREA WAVE】韓国で酒類免許法施行令が改正され、酒を瓶ではなくグラス単位で販売できるようになった。初日となった先月28日、ソウルの飲食店で尋ねると、グラス売りは意外に不評で導入を考えている店は少数派だった。
ソウル市鍾路区(チョンノグ)で定食屋を経営している70代の経営者はグラス売りを諦めた。家賃や人件費といった固定経費に加えて野菜も値上がりしているなか、「昼食の忙しい時にグラス売りをしたら回転率が落ちる」という。
ソウル市麻浦区(マポグ)のクッパ屋を60代経営者も「瓶の半分だけ売ってほしいという年配のお客さんもいるので需要はありそうだ。でも、飲む人は瓶ごと空にするからメニューには載せない」と話した。
同日午前、ソウルの繁華街で食堂20カ所余りを見て回ったが、導入を考えている店は2軒にとどまった。
店側がためらう理由は「回転率の低下」と「衛生問題」。ソウル市永登浦区(ヨンドゥンポグ)の食堂経営者は「瓶ビールやマッコリは炭酸が抜けるのでグラス売りは難しい。焼酎のような蒸留酒もアルコールが飛びそうだ」と懸念した。
ソウル市中区(チュング)の定食屋の経営者は「周りの店でやるという話を聞いたことがない。やり始めたらグラスの大きさなどを比較して抗議されそうだ。私たちが先にすることはない」と話した。
一方、客側には歓迎する声も。
30代会社員は「瓶単位で注文すると焼酎が残ってもったいなかった。グラス売りなら欲しい分だけ頼めるので効率的だと思う」と言う。鍾路区の居酒屋で会った70代の客も「食事を早く済ませたい時や、1本では多いかなという時にぴったりだ」と語った。
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