【KOREA WAVE】すべての会社員が待ちに待った金曜日の夜。時計は退勤時間が過ぎた午後7時30分を指していたが、マーケティング専門家の講演を聞くために集まった人々には熱意が溢れていた。
30人あまりの参加者は、ノートパソコンやタブレットPCを手にして、講師の「目玉ノウハウ」を書き取っている。仕事帰りに外部の講演を聞くのは疲れることだが、「一つでも多くを得よう」という意気込みが感じられた。
このようにマーケティング担当者の関心を集めたセミナーは韓国企業の「The SMC Group」の子会社「teammint」が企画した「敢えてやってみるセミナー」だ。面倒で非効率的でも、ロマンのあることをする日という意味の若者言葉「敢えてやってみる日」 に因んでセミナーの名称にした。セミナーが開かれる会場を5月25日に訪問し、現職のマーケティング担当者たちの話を聞いてみた。
◇専門家の講演でインサイトを得る
今回のセミナーの講師であるイケアコリアのソ・ギソク元CMO(最高マーケティング責任者)が「なぜここに来たのですか」と尋ねると、参加者の一人が答えた。
「私の会社はブランディングがうまくいっていません。個人的にもコピーがうまく書けないという悩みがあって、良い視点を得ようと思って来ました」
そこには、プライベートな時間まで返上して参加した理由が込められていた。率直な答えだった。
ソ・ギソク氏は、ゼネラルモーターズからカカオモビリティ、クーパンなど、さまざまな企業で働いた人物だ。その過程で得たブランディングやマーケティングノウハウを、悩みを抱えているマーケティング担当者らと共有した。
「ブランドは私たちの企業を象徴する価値の総合であり、すべての利害関係者に投げかける約束だ。明確なブランドアイデンティティを提示することが重要だ」
ソ・ギソク氏はこう強調した。これまでソ・ギソク氏が経験してきた企業で展開したブランド活動も例として挙げた。
◇「刺激をたくさん受けた」
「敢えてやってみるセミナー」は今回で4回目を迎える。
この間、さまざまな業界の専門家を招請し、講演会を開いた。昨年7月、「優雅な兄弟たち」のCCO(最高管理責任者)を手始めに、GFFGのユン・ジンホマーケティング総括ディレクター、ネイバーウェブトゥーンのチャ・ハナ理事らが登壇したこともある。
業界で経験豊富なマーケティング専門家が講演するため、現職のマーケティング担当者たちの関心も高く、これまで134社、183人のマーケティング担当者が参加した。
この日のセミナーにも中小企業から「タングン」のようなスタートアップ、サムスン生命・アワーホームなど大企業のマーケティング関係者も参加した。
セミナーに参加したマーケティング関係者は「講演を聞きながら、自分たちのブランドに置き換えて考えるきっかけになった。初めて聞く内容もあって、刺激をたくさん受けた」そうだ。
◇「小規模なネットワーキングでコラボのチャンスを発掘します」
今回、「敢えてやってみるセミナー」を企画したteammintは、企業のマーケティング戦略を立て、これを実行する会社だ。
ブランド戦略からバイラルマーケティング、データを基にしたプログラムまでワンストップで提供し、マーケティング効率の最大化を図る。
teammintとしても「敢えてやってみるセミナー」を通じてマーケティング担当者に良質の講演を提供して潜在的な顧客会社を発掘し、今後のコラボレーションも狙える機会でもある。
講演後のネットワーキングセッションも「敢えてやってみるセミナー」の差別化ポイントだ。
通常の他のマーケティングセミナーの場合、数百人が参加するため、業界関係者同士で交流する機会が少ない。講演が2時間にわたるため、午後9時30分からネットワーキングセッションとなるが、ほとんどの参加者が残って業界の話を共有した。
◇互いに業界情報を共有
この日、ネットワーキングセッションに参加した現職のマーケッティング担当者は「講義だけを聞いて終わるのではなく、互いに対話ができる時間が用意されて良かった。似たような業界で仕事をする人たちと悩みを共有することができた」と話した。
実際、teammintによると、ネットワーキングセッションで連絡先を交わしたマーケッティング担当者同士がSNSでトークルームを開設し、互いに業界情報を共有し、人材を推薦するなど活動が続いているという。ブランド間のコラボレーションが活発な昨今の業界の動向もあり、他企業とのコラボレーションを議論できる機会が設けられたわけだ。
teammintは最後の5回目のイベントを今年下半期中に開催するという。同社関係者は「5回までセミナーを開いた後、『敢えてやってみるセミナー』より規模は小さいが、参加者と講演者がより深くコミュニケーションできるセミナーを企画している」と明らかにした。
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