【KOREA WAVE】「世界環境デー」(5日)に合わせ、韓国食品業界に、環境にやさしいアップサイクリングブームが起きている。廃棄物を単純にリサイクルするレベルを越え、製品の製造過程で生じた副産物で新たな用途の物品を作って価値と活用度を高めている。
ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の実践とともに、MZ世代のミーニングアウト(価値消費)性向、グリーンシューマーを狙うことができ、アップサイクリング領域は多様になりそうだ。
CJ第一製糖は代表的な製品であるレトルトご飯「ヘッパン」を新たに活用するプロジェクトを続けている。最近は「ヘッパン容器新価値プロジェクト」を企画した。CJ第一製糖が回収した即席ご飯容器を分離、洗浄して原料にし、カカオメーカーズがこれを生活用品にする。同社は、ヘッバン容器を回収し、名節プレゼントセットトレイなどに適用するなど、ヘッバン容器循環プラットフォームを構築している。
加えて、フードアップサイクリングスナック「エクサイクルサクサクチップ」も開発した。割れた米や大豆のおからなど、食品の副産物を30%ほど含む製品で、包装材は廃ペットボトルをリサイクルした。CJ第一製糖は「食品副産物として何かできるのではないか」という問題意識から開発が始まったと説明した。
コーヒー専門店も「コーヒーのかす」を活用している。スターバックスコリアは最近、コーヒーかすで作ったトレイが環境省傘下の韓国環境産業技術院から国内1号「循環資源使用製品」として認められた。この認証は今年初めから施行された制度で、製品原料の10%以上が品質認証を受けた循環資源である場合に受けることができる。
トレイは売り場で使ったコーヒーかす20%が含まれたアップサイクリング製品で、1個当たりアメリカーノトールサイズ12杯分のコーヒーかすが使われた。スターバックスは個人カップを使えばもらえる非代替性トークンを持っている顧客に、トレイとコーヒー豆の袋を活用したポーチなどをプレゼントする。エココンセプトの売場にも試験的に導入する予定だ。
マクドナルドも売り場で捨てられるコーヒーかすを20%含有した合成木材で売り場の手すりを作って設置している。コーヒーかすは家畜の飼料としても使えるため、マクドナルドに牛乳、アイスクリームを供給する毎日乳業の牧畜農家に届ける好循環システムを構築した。マクドナルドがこの2年間に回収したコーヒーかすの量は30トンに達する。
酒類会社もビールの製造過程で生じるビールかすを活用したアップサイクリングを続ける。カスのビールかすで作った食品、化粧品なども発売している。昨年初めて発売したエコハンドクリームには、ビール粕の保湿成分が含まれている。パッケージはプラスチックの代わりに環境にやさしい紙素材を活用してプラスチックを約42%削減した。
業界によると、国内で食料品を作る過程で生じる副産物は年間3000万トン程度で、毎年食品の30%以上が浪費されるものと推定される。このうち70%はゴミに分類され、炭素排出を起こし、埋め立て費用を発生させる。
食品業界関係者は「アップサイクリング製品が直ちに売り上げにつながらなくても、浪費される副産物を活用して新たな価値を創出し、環境にやさしい消費者の肯定的な反応を引き出すことができるので意味がある」と説明した。
韓国農水産食品流通公社は、世界のフードアップサイクリング市場が2022年は約70兆ウォン規模から2032年110兆ウォンまで成長すると予想する。農林畜産食品省もこうした流れを踏まえ「農食品副産物を活用した食品アップサイクリング」をフードテック10大核心技術分野に選定し、研究開発事業を推進するとしている。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News