【KOREA WAVE】昼食後、ソウル景福宮をよく訪れるほど伝統文化を愛好するという韓国の会社員、クォン・ダエさんにとっても、6月10日が「端午」というのは初耳だ。クォンさんは「ニュースに出てこない限り、わからない」と話す。
この日、景福宮(キョンボックン)で会った20~30代、いわゆるMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)は、クォンさんのように「端午」を知らないようだった。旧暦5月5日の端午は旧正月、秋夕とともに韓国の三大名節だ。なのに認知できないのは「端午」という「伝統」が若年層で受け入れられていないためだ。
伝統のバロメーターともいえる韓服も、MZ世代の間ではすでに人気が衰えているようだ。
景福宮の前で10年間、韓服レンタル店を営む70代の男性は「Welcome back(歓迎します)」「Please go there(あそこに行って返却してください)」など英語で外国人を迎えるのに忙しかった。
男性によると、40~50年前までは若年層が端午に韓服を着る場合が多かったという。
しかし、最近は普段はおろか名節にも若者層が韓服を着る姿は容易にみつからない。「命脈がもう切れそうだ」。男性はこうため息をついた。
専門家はMZ世代で「伝統」が人気を得るには「現代化」が不可欠だとみる。仁荷(インハ)大学消費者学科のイ・ウンヒ教授は「グローバル化した今、(伝統の)モチーフを生かさなければならない。現代化してみて、大衆化するかどうか考えるべきだ」と指摘する。
大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏も「伝統文化が継承されるには現代化が必須だ。過去には端午がとても大きな行事だったが、今は注目されていない。祭りや行事を現代化すべきだ」と訴えた。
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