「地下鉄に乗っている時から、ひと汗流して出勤するので、朝から魂を吸い取られる気分」
「地下鉄は寒すぎる。長袖を持ち歩いている」
早く訪れた猛暑のなか、韓国で地下鉄のエアコン稼動を巡る「温度戦争」が始まっている。乗客ごとに体感温度が異なるため、1日に数十件ずつ苦情が殺到している。ただ地下鉄の室内温度基準は決まっており、解決策はない。
ソウル交通公社によると、6月1日~7日に受け付けられた冷暖房に関連した苦情は計2万2611件。苦情全体(2万6552件)85%を占める。
特に乗客が集まる通勤時間帯には体感温度が上がり、苦情が集中する。地下鉄9号線で出勤する会社員は「地下鉄では窓を開けることもできないので、エアコンの温度でももっと下げてほしい」と訴える。
一方、寒すぎるという意見も少なくない。5号線に通勤する会社員は「汗を流したまま地下鉄に乗ったら、エアコンの風が強すぎてすぐに寒くなった。温度差が激しく、風邪を引きそうになった」と嘆く。
ソウル交通公社の規定によると、夏場の地下鉄の室内温度は、一般車両24度、弱冷房車両25度で運営することになっている。苦情が多く寄せられても、夏場には最大24度までしか下げられない。体感温度の高い通勤ラッシュの時間帯も同じだ。
乗客の一部には地下鉄内に設置された非常呼び出し装置で温度調節の苦情を入れる人も。この場合、職員は「緊急」と認識して現場を確認する必要があり、運行が遅延することもある。
ソウル交通公社関係者は「空気循環により、車両の両端が温度は低い。寒いと感じる乗客は、車両の中央や弱冷房車に移動するのも方法」と説明する。
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