【KOREA WAVE】韓国で、急速な高齢化と高齢者の貧困化が進み、60歳以上の「シルバー労働者」の割合が高くなっている。
統計庁によると5月時点で60歳以上の就業者は、前年同期比で26万5000人増加した。世代別に見ると、増加幅が最も大きかった。20代(-16万8000人)と40代(-16万8000人)の就業者は2年近く減少を続けているのとは対照的だ。
就業者全体(2891万5000人)でみると、60代以上の就業者(667万9000人)は23.1%を占める。これは50代(23.4%)に次いで2番目に高い。このまま行くと、今年中に60代以上の就業者の割合が50代を超える可能性が高い。
60歳以上の就業者の割合は、「世界最高齢国家」の日本も追い越した。3月時点で日本の60才以上就業者割合は22.1%だった。
背景には、高齢化の急速な進行、それに伴う高齢者の貧困化がある。韓国の高齢者貧困率は2020年時点で40.4%で、経済協力開発機構加盟国の中で最も高い。
一方、国民年金の老齢年金の平均受領額は、昨年基準で1人当たり月62万ウォンで、1人世帯の最低生計費(124万6745ウォン)の半分にとどまる。
アルバイト求人・求職プラットフォーム「アルバイト天国」によると、昨年の50代以上「アルバイト」志願者は2019年比で357.2%となった。
問題は高齢働き口の大部分が、単純・肉体労働や臨時職に偏っているという点だ。韓国開発研究院によると、20代男性就業者と比較して60代男性就業者は、分析・社会・サービス職務従事者がそれぞれ6%以上低かった。その半面、反復・身体職務は各々6~8%ほど高かった。こうした傾向は、女性就業者にも見られた。
低出生・高齢化が進み、生産可能人口(15~64歳)が今後さらに減少するとみられる。高齢者の働き口の質を高め、高齢労働力の効率的な活用が必要で、定年延長など多様な方法が示されている。
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