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手術後の痛み、AIが読み取る…韓国の研究チームがモデル開発

KOREA WAVE 2024年8月5日 9時0分

(c)MONEYTODAY

【KOREA WAVE】手術後、どれほど痛いか、患者の表情だけで推し量る――こんな人工知能モデルを韓国・盆唐ソウル大学病院麻酔痛症医学科の研究チームが開発した。その有用性を立証した研究結果が最近、「大韓麻酔痛症医学会誌」に掲載された。

痛みの表現は患者の健康状態を反映する重要な情報の一つだ。患者の安全と迅速な回復のためには、医療スタッフの適切な評価と迅速な対処が必要とされる。特に、手術患者の最大71%が手術後に痛みを経験することが知られているのに、痛みの程度は非常に主観的で、小児や精神疾患者らは自分の痛みを表現しにくく、痛みの有無・強度などの正確な予測には限界があった。

これに対し、今回の研究チームは、痛みに対して反射的に現れる表情、生理的信号などを利用して術後の痛みを評価し、迅速かつ客観的に予測するAIモデルを開発するための研究に着手した。

研究チームは全身麻酔で胃切除手術を受けた患者を対象に▽手術前に痛みがない状態▽手術後の麻酔回復室への入室直後▽患者が鎮痛剤が必要な程度の痛みを表現した時▽鎮痛剤の投与後、痛みが軽減された状態――の表情を撮影した。加えて、通常、痛みのモニタリングのために使用される鎮痛痛覚指数と活力徴候のような生理的信号、患者の主観的な痛みの強度を表現する数値的評価スケールを測定した。その後、収集したデータを多様に組み合わせてAIモデルを構築し、手術後の痛みの強度を予測できるか検証した。

その結果、表情データだけを学習させたAIモデルが、手術後に発生した重い痛みを非常に高い精度で予測し、これは生理的信号に基づくモデルより性能が優れていることがわかった。実際、表情だけを学習させたAIモデルの予測精度が「AUROC 0.93」と最も高く、表情と活力徴候データを一緒に学習したモデル「AUROC 0.84」が続いた。

AUROCはAIモデルの予測精度を示す性能指標で、1に近いほど性能が優秀とされる。

今回の研究論文を手掛けたク・ボンウク教授は「麻酔回復室で迅速かつ正確に患者の痛みを評価するAIを利用すれば、適切な痛み管理治療により手術患者が『回復の質』を引き上げるのに寄与するだろう。今回開発したモデルは手術後の痛み患者だけでなく、特にコミュニケーションが難しい患者の痛み評価に大きく役立つだろう」と述べた。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News

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