【KOREA WAVE】中国は科学技術分野において、韓国を追い越すまでに成長した。これは、持続的な科学技術への投資、先進国で学んだ留学生の大規模な帰国、積極的な人材確保の結果といえる。科学技術情報通信省による「2022年の技術水準評価」によると、11の主要な科学技術分野で中国が韓国を初めて上回った。
この評価は、11分野の136の核心技術について、日本、韓国、中国、米国、欧州連合の技術レベルを2年ごとに評価するもので、論文や特許などの定量的分析と専門家の調査による定性的評価が組み合わされている。
評価結果によると、韓国は二次電池分野では5つの技術でリードしているが、その他の分野では米国が主導的な地位を占めている。2020年の評価では、米国を100点とした場合、韓国は80.1点、中国は80.0点でほぼ同等だったが、2022年の評価では、中国が82.6点、韓国が81.5点となり、中国が韓国を上回った。
中国は「科学技術強国」を国家戦略として掲げ、科学技術への集中投資を続けている。特に1990年代の「百人計画」や2008年に始まった「千人計画」などで海外の優秀な人材を積極的に招聘しており、2015年末には「千人計画」により約6000人の人材が中国に帰国した。このプロセスで、彼らの持つ技術やノウハウが中国に蓄積されたと考えられている。
さらに、2012年には「万人計画」を策定し、今度は中国国内でのハイレベル人材の育成に重点を移している。これにより、AIや先端バイオ技術など、将来有望な分野においても中国はさらに前進することが予想される。
韓国科学技術企画評価院の調査では、AI分野における世界上位500人の研究者のうち、米国が31.8%、中国が24.2%を占めており、これらの国が研究トレンドをリードしている。韓国はわずか5人、全体の1%に過ぎない。
また、オーストラリア戦略政策研究所の分析によると、バイオ分野の7つの核心技術のうち、中国が4つで1位、米国が3つで1位を獲得した。韓国が上位5位に入ったのは合成生物学だけだった。
韓国では少子化に加え、優秀な人材の海外流出が課題となっている。シカゴ大学傘下のシンクタンク「マクロポーロ」の調査によると、2022年に韓国で大学院を修了したAI人材の40%が海外でのキャリアを選んだ。また、KISTEPの調査によると、先端バイオ分野では博士号取得者の37.8%が海外での研究を続けているという。
このような人材不足に対応するため、科学技術情報通信省は今年中に「理工系活性化対策」を発表し、大規模な人材確保や支援策を打ち出す。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News