【KOREA WAVE】北朝鮮の元駐英国公使で、韓国亡命後には国会議員も務めたテ・ヨンホ(太永浩)氏=民主平和統一諮問会議事務処長=の長男が詐欺容疑で告訴され、韓国警察が捜査に着手したことがわかった。
検察と警察はそれぞれ9月19日と20日、詐欺や類似受信行為、名義盗用などの疑いで長男に対する告訴状と陳情書を受け付けた。検察は同24日、告訴人の住所地を管轄する警察署に事件を移管した。
告訴状によると、長男は暗号資産(仮想通貨)投資などで「お金を増やしてやる」として、被害者に数回にわたり数千万ウォンに達する資金を受け取り、その後、返済しなかった疑惑を受けている。被害者は計7人で、追加の告訴が続くとみられる。
長男は一部被害者に「投資する時、本人確認のために身分証が必要だ」などと伝え、身分証の写しを受け取った後、その名義を悪用して計13億ウォン分のUSDT暗号通貨「テザー」の貸し出しを受けたり、横領したりした。USDT暗号通貨はドルと同じ価値を持つように設計されたもので、他の暗号資産と取引する際に一種の貨幣の役割をする。
暗号資産を貸した被害者は「長男が行方をくらました後、他の被害者に確認した結果、被害者3人とも自身の名義で長男に暗号資産が貸し出されていた。3人とも全く知らなかった」と明らかにした。
複数の被害者は、長男が有名政治家である父親の名声を掲げ、信頼を得たと口をそろえた。長男は家族関係証明書と家族写真により、自身が「テ・ヨンホ議員の息子」であることを強調し、警察身辺保護チームとの親密さを誇示したという。
長男の住む地域を管轄するソウル江南警察署の関係者は「テ・ヨンホ氏とその家族は主要な脱北者であり、身辺保護の対象者だ。身辺保護の対象者に関連した内容が露出すれば、テロなどの危険が高まるため、捜査の有無の確認ができない」としている。
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