【KOREA WAVE】韓国で大学医学部の定員増加に端を発した医療界の対立により、患者数が大幅に減少している。さらに専攻医(レジデント)の集団訴訟が相次いでいることから、国立大学病院の赤字が大きく拡大している。医療界は専攻医が来年復帰しても、黒字転換は困難だとの見解を示している。
「2023年~2024年上半期の国立大学病院の損失額」によると、ソウル大学病院など10の国立大学病院の今年上半期の損失額は4127億ウォン(約453億円)に達し、前年同期の1612億ウォン(約177億円)と比べて155%増加している。
損失が最も大きかったのはソウル大学病院で1627億ウォン(約178億円)。続いて慶北大学病院が612億ウォン(約67億円)、全南大学病院が359億ウォン(約39億円)、釜山大学病院が330億ウォン(約36億円)、忠北大学病院が263億ウォン(約29億円)などである。
医療関係者は、専攻医の集団辞職による手術や外来患者の減少、地域ごとの人手不足が主な原因と指摘。専攻医が復帰しても、政府の支援がなければ黒字転換は難しいと見ている。
また、大手5病院の関係者によれば、専攻医の代わりにPA(診療補助)看護師を3交代で採用しているが、人件費が増加しているという。ある地方病院の関係者も、専門医が高価な治療に専念すべき時間を、インターンや専攻医が担うべき業務に割いている状況を指摘した。
さらに、辞職した57人の専攻医が、辞職処理の遅延による損害賠償を求めて、国立大学病院を相手に1人当たり1500万ウォン(約165万円)の支払いを求める民事訴訟を起こしている。
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