【KOREA WAVE】韓国全羅北道南原で今年3月、ある食堂の前に89歳の高齢者が立っていた。飲食店のオーナーは、コミュニケーションが円滑でないこの高齢者が道に迷ったと警察に通報した。出動した警察は身分証もなかった高齢者の身元を食堂の前で直ちに確認した。
携帯用指紋スキャナーのおかげだ。
携帯機器一つで、迷子の身元も現場ですぐに確認できる。警察が満18歳以上の成人に対して適用されていた携帯用指紋スキャン対象者を▽満18歳未満の児童▽知的障害・自閉症・精神障害者▽認知症高齢者――に拡大することにしたからだ。
警察庁の治安状況課112システム運営系は、「行方不明児童等プロファイリングシステム」の指紋データを連携させ、合計520万件余りのデータを活用する指紋識別アプリを開発した。
業務用スマートフォン(112フォン)と携帯用指紋スキャナーを使用する様子を観察してみた。一般のスマートフォンと変わらない機器に指紋スキャナーがブルートゥースで接続された。スキャナーは片手にすっぽり入るほどサイズが小さく、プラスチック素材なので持ち運びが容易だ。
テスト用にあらかじめ指紋を登録したある巡査部長級の職員が指紋識別アプリを起動した後、スキャナーに手をかざした。続いて「マッチング依頼」ボタンを押すと、「認知症高齢者」として登録された人物の身元が表示された。
年齢や名前などの個人情報から身長(170センチ)や体重(80キロ)、体格(小太り)、顔の形(逆三角形)、頭髪の色(半白)などの身体情報まで表記された。保護者の名前と電話番号も表示された。「その他の特徴」欄には、事前に入力したとおり「ハンサム」と書かれていた。アプリを起動して身元を確認するまで約30秒しかかからなかった。
警察は今年2月、現場に出動した地域警察が業務用スマートフォン(112フォン)と携帯用指紋スキャナーを利用して泥酔者らの身元を確認する「モバイル指紋識別システム」を導入した。MOFISは警察庁犯罪分析課が管理する「指紋自動検索システム」をスマートフォンアプリに移してきたのだ。
8カ月間、現場の警察の反応が熱かった。112フォンとスキャナー1台で、意識を失った市民や酔っ払いの身元を現場で確認できるからだ。これまでは保護が必要な市民を地区隊、交番に連れて行き、パソコンで指紋を検索する必要があったが、今後は素早い現場対処が可能になった。
これを受け、警察は適用対象を拡大することにした。満18歳未満の児童・認知症高齢者・知的障害者などの指紋、身上情報、保護者情報を網羅した「行方不明児童などプロファイリングシステム」を連携する後続措置を打ち出した。
警察庁青少年保護課失踪政策係は、これらの身元を事前に登録する指紋など事前登録制を通じて、行方不明児童などプロファイリングシステムを運営している。
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