【KOREA WAVE】韓国科学技術情報通信省、産業通商資源省、保健福祉省は29日の閣議で大統領令「国家バイオ委員会の設置および運営に関する規定」が承認されたことを受け、「国家バイオ委員会」の構成を開始すると発表した。同委員会は2027年までの期間限定で設立され、韓国の「バイオ経済」「バイオ安全保障」など国家バイオ政策を決定するための省庁横断型最高意思決定機関となる。
近年、バイオ分野は医療・保健だけでなく、経済・産業、エネルギー、環境、安全保障など、グローバルな視点で未来を変えるゲームチェンジャーとして浮上している。
日本、米国、欧州などの主要先進国は、韓国に先立ちバイオ経済への転換を目指した国家戦略を策定している。
韓国は今年4月、グローバルバイオ経済時代に対応するため「先端バイオイニシアチブ」を発表した。これは研究、産業、人材、規制、ガバナンスの各側面から国家バイオエコシステムの大転換を目指し、官民が総力を挙げようというものだ。
今回設置される国家バイオ委員会は、科通省、産業省、福祉省の3省庁が共同で参加する。委員会の存続期間は、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の任期が終了する2027年6月30日までとされた。
委員会では、医療・保健、食料、資源、エネルギー、環境などバイオ全分野にわたり、官民が協力してビジョンや戦略を示し、バイオ経済やバイオ安全保障など、持続可能な国家競争力強化を目指す政策を議論・決定する最高位のガバナンスとなる。
委員長は大統領が務め、副委員長を含め40人以内の委員で構成される。政府委員は関係省庁の閣僚ら10人と、大統領室の科学技術首席秘書官(幹事委員)、国家安全保障室第3次長で構成する。民間委員はバイオ分野に関する専門知識と豊富な経験を持つ人物を大統領が任命する。副委員長は民間委員の中から大統領が指名する。委員の任期は2年。
委員会では▽バイオ関連の主要政策や制度の立案・改善▽競争力を阻害する規制の見直し▽バイオ分野の研究開発戦略や主要事業の投資計画の策定▽バイオ安全保障能力の強化――などさまざまな事項を審議する。委員会の運営と業務を支援するため、民間の専門家や関係官僚で構成する「国家バイオ委員会支援団」も設置する。
韓国政府関係者は「国家バイオ委員会を通じて、各省庁で個別に進行中のバイオ関連政策が迅速に連携し、協力が進むだろう。バイオ経済への転換と国家競争力強化に向けて、国全体の総力を挙げることを期待している」と語った。
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