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韓国、2032年に独自の月着陸船の打ち上げへ…次世代発射体で挑む探査計画

KOREA WAVE 2024年11月14日 13時0分

(c)Reuters/news1

【KOREA WAVE】韓国は2032年に国産の月着陸船を次世代発射体に搭載し、2033年までに月探査第2段階事業を推進すると発表した。宇宙航空庁は韓国航空宇宙研究院とともに、月への安定的な着陸を目指し、減速および姿勢制御技術の開発を進めている。

宇宙航空庁で月着陸船プログラムの責任者、ユ・ドンヨン氏は、月探査計画において、特に月着陸船の安全な降下と着地を可能にする減速および姿勢制御、自律航法技術の開発が重要課題であると強調している。世界的に見ても、月探査機が月軌道を離脱し降下する際に失敗するケースが多いため、韓国はこの技術開発を重視する方針だ。

イスラエルの探査機「べレシート」やインド宇宙研究機関の着陸船「ヴィクラム」など、過去の着陸失敗例からも、降下中の減速がいかに難易度の高い課題であるかが明らかとなっている。韓国の月着陸船では、燃料と酸化剤を別々に保管し、逆推進力を生成する二元推進方式を採用して減速を実現する方針だ。

さらに、着陸船が倒れないようにする姿勢制御も極めて重要である。倒れてしまうと、通信機器や太陽光発電システム、ローバーの展開ができず、任務遂行が不可能になるリスクがあるためだ。ユ・ドンヨン氏は、推進剤の消費による重心変化を考慮した姿勢制御アルゴリズムの必要性を強調した。

また、精確な着陸地点を特定するために、自律航法をサポートする航法コンピュータが求められる。地球のGPSのような位置情報システムがない月では、保存された月の地形データとカメラによる視覚情報、さらには高度計や慣性装置の情報を統合し、着陸地点を判断する。

着陸船が月の表面上空に達した際は、レーザー高度計やレーダー、ライダーなどを用いて安全な着陸シーケンスに入る。高度の測定のみならず、傾斜地や岩、窪地といった危険地形を識別する技術も重要だ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News

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