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10秒のために50回撮り直し [KWレポート] 大人は知らない「SNS漬け」という闇 (6)

KOREA WAVE 2024年11月17日 10時50分

【KOREA WAVE】
2日午前、大邱のある高校前で登校中の生徒たちがカカオトークの友達リストを見せている (c)news1

「最初は十数人で一緒に始めましたが、今も続けているのは私を含めて2人だけです」

仁川に住む高校1年生のイェソンは、1年前にインスタグラムに初めてダンス動画を投稿した当時をこう振り返る。インフルエンサーになりたいという思いから友人たちとSNSに動画を上げ始めたが、時間が経つにつれ、次第にみんな投稿をやめてしまった。

「需要がないまま投稿し続けるのにみんな疲れ果てて、他のことを探しに行ったんです」

イェソンのように、ただのSNSユーザーにとどまらず、同世代や一般の視聴者に影響を与える「インフルエンサー」に挑戦する10~20代が増えている。しかし、一般ユーザーがSNS依存に陥るのと同様に、インフルエンサーを目指す若者も「中毒」からは逃れられないのが現状だ。

取材チームが会った若いインフルエンサーのほとんどが「食事と睡眠時間以外はすべてSNSに費やしている」と口を揃えた。インフルエンサーの華やかな一面に惹かれてSNSの世界に入るが、途中で諦めるケースが多いのもそのためだ。

イェソンは、満足できる動画を撮るために50回以上も再撮影したことがあるそうだ。10秒のショート動画を作るために、小さなスマートフォンを1時間以上持ったり置いたりを繰り返す日々だったという。

1年がたった今、イェソンはインスタグラムでフォロワー5000人を超える立派なインフルエンサーになった。最も注目を集めたダンス動画は累計200万回以上再生された。しかし、いつ視聴者の関心が薄れるかわからず、不安は尽きない。「最近は、知らない人の投稿には注目しない人が増えた感じがする」。再生回数が減ると寂しいと嘆く。インフルエンサーになった今でも、不安は変わらない。

(つづく)

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News

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