【KOREA WAVE】日本海に浮かぶ韓国の鬱陵島(ウルルンド)は活火山に分類されている一方で、火山体から放出される火山ガス成分は中国と北朝鮮の国境にそびえ立つ白頭山(ペクトゥサン、中国名・長白山)と同じマントル起源であるとの分析結果が出た。
ソウル大学地球環境科学部火山学・揮発性成分研究室のイ・ヒョヌ教授は20日、鬱陵島の火山体の亀裂から放出される地下水中の溶存ガス成分を分析した結果、上部マントルが溶融したマグマに由来する火山ガスであることを解明したと発表した。
研究成果は国際学術誌「ジャーナル・オブ・ハイドロロジー」(11月14日号)にオンラインで掲載された。
イ・ヒョヌ教授は「鬱陵島の火山体は約3000年前に噴火した。現在、噴火の兆候はないが、いつマグマが噴出しても全く不思議ではない状況だ」と述べた。
火山ガスは主に二酸化炭素で構成され、噴火時には不活性ガスのヘリウムが二酸化炭素とともに放出される。この特性を活用して、火山ガスの起源を解明する。
研究チームによると、「鬱陵島の火山ガス中のヘリウム同位体成分が白頭山と同様、大陸下部リソスフェアマントルの影響を受けていることが確認された」という。
イ・ヒョヌ教授は「これは鬱陵島と白頭山がプレート内部環境で厚いリソスフェアマントルの影響を受けていることを意味する」と説明する。
さらに、日本と異なり、鬱陵島および北東アジアのプレート内部火山では、比較的均質な起源の二酸化炭素が放出されることが分かったとし、鬱陵島と白頭山の火山ガスのヘリウムおよび炭素同位体成分が非常に類似していることを明らかにした。両火山がほぼ同じマントル成分に由来していることが示された形だ。
研究チームは、ウダリアンチ(中国東北部)、白頭山、鬱陵島を含む新生代のプレート内部火山地域で観測された温泉や地下水、噴気孔からの火山ガスのヘリウム同位体比(Rc/Ra)と二酸化炭素の炭素同位体値を分析した。その結果、両火山が同じマントルに起源を持つことを裏付けるデータが得られた。
イ・ヒョヌ教授は「朝鮮半島を含む北東アジア地域では、現在プレートの厚みが相対的に薄くなった地域が見られる。この領域内では下部アセノスフェアマントルの上昇が発生し、上部に残るリソスフェアマントルとの相互作用によって鬱陵島や白頭山などの活火山がマグマを生成している」と説明した。
また、「現在、鬱陵島の地下深部にはマグマが存在していると考えられる。鬱陵島火山体は日本海で唯一、マントル起源物質が放出される経路であり、地球の深部炭素循環を理解する上で重要な研究価値を持つ」と付け加えた。
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