【KOREA WAVE】百日咳が韓国で急速に広がり、今月4日には生後2カ月未満の乳児がこの病気に感染して国内初の死亡例が報告された。この事態を受け、乳児を守るために家族全員で予防接種を受ける家庭が急増している。
19日午後、ソウル江南区の産婦人科では「家族での百日咳予防接種」を呼びかけるパンフレットが目立つ場所に置かれていた。この病院の関係者によると、先月だけで約200件の予防接種が実施され、昨年の同時期に比べて2~3倍増加しているという。
同様に、予防接種を無料で提供する保健所も賑わっている。江南区保健所では、登録されている妊婦約2000人のうち、今年すでに791人が予防接種を受けた。保健所では、妊婦が訪れた際に必ず百日咳の予防接種を案内している。
医療専門家は、乳児を守るために妊婦だけでなく同居する家族や親戚、さらには乳児に接する全員が予防接種を受けることを推奨している。妊婦や家族はもちろん、産後ケアサービスを利用する場合には、スタッフが接種済みであることを確認する家庭も増えている。
ある20代女性は「抗体ができるまで1カ月ほどかかると聞いたので、赤ちゃんが生まれる前に接種しました」と語り、家族を守るための予防接種が当たり前になりつつあることを示唆した。
一方で、現行の政策では妊婦や乳児本人に対する支援に限定されており、接種費用を自己負担する家族からは不満の声も上がっている。接種費用は成人で1回5万~6万ウォン(約5500~6600円)とされ、家族全員分を負担するとなると数十万ウォン(数万円)に達する。
妊婦のキムさんは「感染者が増えている中、親族全員で接種する必要があると言われていますが、費用負担が大きい」と語り、政府に費用補助を求めた。
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