「従来の製品との味の違いは分からず、むしろさっぱりしている」
ソウルで22日に開催された第19回ソウル国際食品産業展の韓国食品医薬品安全処のブースで開かれた試食イベントで出た評価だ。
食品医薬品安全処はこの日、ナトリウムや糖類を削減した加工食品12種類と調理食品7種類を開発したと発表し、記者団向けに一部の低ナトリウム製品の試食会を開催した。
記者団が試食したのは「ケイジャンチキン胸肉バーガー」と「鶏胸肉ハムたっぷりサンド」の2製品。どちらもナトリウム含有量を削減した製品で、バーガーのナトリウム量は従来の類似製品と比較して30%減の340mg、サンドイッチは25%減の364mgだった。ナトリウム含有量の低い原材料を使用し、野菜の比率を高めることで開発された。
バーガーとサンドイッチは、ナトリウムを減らしたという説明がなければ、従来製品と区別がつかないほどだった。野菜の割合が増えたことで味はさっぱりしていた。
◇中小企業の技術支援で製品化
今回のナトリウム・糖類削減製品は、5月に「ナトリウム・糖類削減製品開発技術支援事業」で選定された中小食品製造業者が開発したものだ。加工食品メーカー17社、調理食品メーカー4社が支援を受け、すべて採択された。製品群別では、加工食品はナトリウム削減製品が8種類、糖類削減製品が4種類。調理食品はナトリウム削減製品が5種類、糖類削減製品が2種類だった。
今年は韓国の1人暮らし世帯でインスタント食品によるナトリウム摂取量が増加した。また、女子児童の糖類摂取量が世界保健機関の推奨基準を超えていることから、サンドイッチやハンバーガー、シャーベットなどが開発支援品目に選ばれた。
食品消費安全局のチェ・デフン局長は「ナトリウム含有量が高い原料の配合比率を調整してナトリウムを減らし、砂糖の使用量を抑えて糖含有量を削減した。削減量が分かるよう、加工食品の包装に削減表示を追加した」と語った。
今回の削減製品のうち、サンドイッチやハンバーガーなどの加工食品は「CU」「GS25」「セブンイレブン」といった韓国の大手コンビニ3社で販売されている。
製品開発に携わった韓国の食品開発および食品技術コンサルティング企業「ケイブリッジインサイト」のキム・ウィス代表は「ナトリウム含有量が高い原料は別の原料に置き換えたり、ソースに使う塩分量を調整したりする方式で開発した。試食した消費者の多くから、味の違いを感じなかったという声が出ている」と説明した。
◇予算と計画
食品医薬品安全処は来年も同事業を継続する計画で、今年とほぼ同規模の予算が確保されている。今年の予算は計2億9000万ウォン(約3190万円)で、加工食品の技術支援に2億ウォン、調理食品には9000万ウォンが割り当てられた。
チェ局長は「人員と予算が限られているが、毎年の調査を通じてナトリウム・糖類削減製品群を拡大する計画だ」と述べた。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News