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毛髪細胞増殖23%を実現…韓国発「QD-OLEDウェアラブルパッチ」

KOREA WAVE 2024年11月23日 12時0分

研究成果の説明イメージ=韓国研究財団提供(c)NEWSIS

【KOREA WAVE】韓国の研究チームが、毛髪増殖効果を持つ量子ドット-有機発光ダイオードウェアラブルパッチの開発に成功した。これは、医療やヘルスケア分野における新たな技術革新として注目されている。

韓国研究財団は今月3日、加耶大学のチョン・ヨンミン、クォン・サンジク、チョ・ウィシクの各教授の研究チームが、韓国企業「innoQD」や忠北大学のクォン・ジョンヒョン教授らとの共同研究を通じ、リアルタイムで光の波長変換が可能な高出力医療用ウェアラブルQD-OLEDパッチを開発したと発表した。

量子ドットは、粒子の大きさに応じて多様な色を発する半導体結晶。QD-OLEDはこの特性を利用して従来のLEDよりも多彩な色を再現できるディスプレイ技術だ。一方で、ウェアラブル機器や電子薬として活用するには、低電圧で高出力を維持し、柔軟性と波長変換の自由度を兼ね備える必要がある。

しかし、従来のOLED技術は高出力とリアルタイム波長変換に制約があり、QD-OLEDも柔軟性や高出力近赤外線性能の不足によりディスプレイ分野での活用にとどまっていた。

研究チームはこうした課題を克服するため、「並列積層型青色OLED」「柔軟なQDフィルム」「多機能性封止膜技術」を開発した。特に封止膜技術は、製造過程で酸素や水分が有機材料に浸透するのを防ぎ、製品の耐久性を向上させる役割を担う。

こうした新技術を用いて開発されたウェアラブルQD-OLEDパッチは、毛髪治療や心拍数測定においてその性能が確認された。毛髪成長に関わる毛乳頭細胞にパッチを適用した実験では、細胞が最大23%増殖した。また、リアルタイムで心拍数を測定する能力も証明された。

チョン・ヨンミン教授は「商業化レベルの高出力と高信頼性を備えたQD-OLEDパッチ技術を確立した。この技術はウェアラブルディスプレイだけでなく、電子薬、センサー、光医学などさまざまな分野で活用されるだろう」と述べた。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News

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