【KOREA WAVE】韓国国土交通省は2023年度の「交通弱者移動利便性実態調査」の結果を発表した。この調査は8つの特別市、広域市、特別自治市を対象に実施された。
2023年末時点で、韓国の交通弱者は総人口5133万人の30.9%にあたる1586万人と推計され、2022年の1568万人から1.1%(約18万人)増加した。一方で総人口は11万人減少しており、特に高齢化により65歳以上の高齢者が交通弱者の61.3%(973万人)を占めた。
交通手段や施設における移動利便性施設の基準適合設置率は、2023年は85.3%で、2021年比で3.8ポイント増加した。バスや鉄道車両では90%以上の設置率を達成しており、ソウル市が98.1%で最も高かった。
航空機の基準適合設置率は73.9%と他の交通手段に比べ低い水準で、特に低コスト航空会社で基準を満たしていない項目が多かった。
交通弱者が自治体内で移動する際は、バス(32.4%)や徒歩(29.8%)が最も多かった。一方、市外への移動では自家用車(62.8%)が主に利用されており、障害者はバウチャーや賃貸タクシーの利用割合が高かった。視覚障害者のバスや地下鉄の利用率は、身体障害者や聴覚障害者に比べ低い傾向が見られた。
車椅子利用者や高齢者の乗降が容易な低床バスの普及率は全国平均で38.9%となり、特別交通手段の台数は法定台数を初めて超過した(101.4%)。また、特別交通手段の利用実績は前年比9.7%増加しており、中・長距離移動も増加傾向にある。
国土交通省は、交通弱者の移動利便性向上のため、現場職員や管理者の教育を強化し、視覚・聴覚情報案内を充実させる政策を推進していく方針を示した。今回の調査結果は、全国の交通行政機関や事業者に提供され、改善の指針となる。
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