【KOREA WAVE】韓国の高級ホテルが販売するクリスマスケーキの価格が、ここ3年で約60%上昇し、高値を更新し続けている。
ホテル業界筋によると、現在までに発売された高級ホテルのクリスマスケーキの中で最も高額だったのはソウル新羅ホテルが提供するケーキで、価格は40万ウォン(約4万4000円)に達する。
ソウル新羅ホテルのペストリーブティックでは年末に向け「ホリデースペシャルケーキ」として「ザ・テイスト・オブ・ラグジュアリー」「新羅ベアーズウィスパー」「ホワイトホリデー」「スノーベリーチョコ」の4種類を期間限定で発売。このうち「ザ・テイスト・オブ・ラグジュアリー」の価格が40万ウォン(約4万4000円)だった。
このケーキは、トリュフクリームとトリュフスライス、ミルフィーユ、チョコレートガナッシュを層状に重ね、フランス産デザートワイン「シャトー・ディケム」を使用している。甘さと熟成された果実の香りが同時に楽しめる点が特徴で、外観はプレゼントボックスをイメージしたリボンの装飾が施されている。
ソウル新羅ホテルの関係者は「昨年よりフレッシュな黒トリュフの量を約25%増やし、年末パーティーの雰囲気を盛り上げるためにアートワークのラズベリーチョコレートの装飾を追加した。このチョコレートの装飾はショコラティエがラズベリーチョコを一つ一つ手作業で貼り付けて完成させたものだ」と説明した。
グランドインターコンチネンタルソウルパルナスもクリスマスケーキの価格を引き上げた。
19日に公開された「ウィンターウィッシュリスト」シリーズの13種類のケーキのうち、最高額は「ウィッシュホイール」で35万ウォン(約3万8500円)に設定されている。これは昨年の最高価格だった「メリーゴーラウンド」25万ウォン(約2万7500円)より10万ウォン(約1万1000円)高く、昨年、高級ホテルで最も高額だったソウル新羅ホテルの「ザ・テイスト・オブ・ラグジュアリー」の30万ウォン(約3万3000円)を超える価格だ。
今年新たに登場した「ウィッシュホイール」は、大観覧車をモチーフにしたチョコレートアート作品で、来たる2025年の希望と幸運を夢見る気持ちを込めているという。ホテルのペストリーシェフが24時間かけて作り、大観覧車の車輪は実際に回転する仕組みになっている。
高級ホテルでクリスマスケーキの価格が20万ウォン(約2万2000円)を超え始めたのは2021年からだ。新型コロナ禍によるホームパーティーの流行を背景に当時、朝鮮パレスホテルが25万ウォン(約2万7500円)の「ホワイトツリースペシャルケーキ」を発売。通常販売しているケーキの最高価格20万ウォン(約2万2000円)と比較すると約20%高かった。このケーキは高価格にもかかわらず早期に完売し、翌年から本格的な価格競争が始まったとされている。
2022年には、朝鮮パレスが前年と同じ25万ウォン(約2万7500円)のケーキを発売し、ソウル新羅ホテルも同価格の「アリューリングウィンター」を発売した。そのほか、グランドインターコンチネンタルソウルパルナスの20万ウォン(約2万2000円)、JWマリオット東大門スクエアの18万ウォン(約1万9800円)も、20万ウォン(約2万2000円)水準のケーキを販売した。
ホテル業界の関係者は「体験を重視するMZ世代をターゲットにしたマーケティングを展開しており、客室は価格が高くても体験できる人数が限られる点が魅力となっている。一方で、飲食部門においては比較的手頃な価格でホテルの雰囲気を楽しめるため、人気を集めている」としている。
さらに別の関係者は「美食を楽しむ文化が広がる中で、手軽に手に入るものではなく、デザートもファインダイニングのように楽しむ傾向が強まっている」と説明した。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News