【KOREA WAVE】韓国で、母親から相続された建物を巡り、姉弟が対立している事例が話題となっている。
YTNラジオの「チョ・インソプ弁護士の相談室」で最近紹介されたエピソードによると、女性A氏は母親の遺産を相続した弟との間での不公平感に悩み、法的な助言を求めた。
A氏は、亡き母親が家族の生計を一手に担い、さまざまな仕事をして2人を大学まで進学させたことを回顧した。母親は、昼夜を問わず働き続け、ついには町の大通りに立派なビルを購入するまでに至ったという。しかし、そんな家族の幸福は長く続かず、母親は癌で早世した。
母親は生前、弁護士を通じて遺言を残しており、A氏には預金を、弟にはそのビルをそれぞれ相続する内容だった。
A氏が問題に直面したのは母親が亡くなってから5年後、弟と正式に遺産分割の手続きを進める中で、弟がその間ビルから得た賃料収入が相当な額に上ることを知った時だった。弟は「ビルを相続した以上、その賃料収入も自分のもので当然だ」と主張したため、A氏はその妥当性について疑問を抱き、法的助言を求めた。
相談に応じた弁護士によると、母親が弁護士を通じて適法な形式で遺言を残した場合、遺産分割はその遺言に従うのが基本となる。ビル自体は弟が相続した遺産の原物(元となる財産)であり、賃料収入はその「果実(財産が生み出す利益)」に当たるため、通常は分割の対象外とされる。
しかし、大法院(最高裁判所)の判例では、相続財産の果実は「相続開始時の具体的な相続割合」に基づいて取得するものとされている。このため、A氏も賃料収益の半分に相当する権利を主張できる可能性が高いと弁護士は指摘した。
今回のケースでは、遺産分割が5年後だったことや、賃料収入が相当な額に達している点などを考慮すると、公平性を図る観点から、A氏が賃料収益の一部を受け取る権利を主張できる見込みがあるという。
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