【KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領による「非常戒厳」宣言をめぐり、これを風刺したYouTube動画が韓国国内で注目を集めている。人気YouTubeチャンネル「パラドックススタジオ」が公開した動画「戒厳令・警察の視点」は、警察官の視点から宣言当日の状況をユーモラスかつ痛烈に描写し、公開直後から大きな反響を呼んでいる。
このチャンネルは登録者数32万人を誇る人気コンテンツ。動画の内容は宣言後、警察官が電話を受けて緊急招集されるシーンから始まる。
主人公と思われる警察官が退勤後に自宅でくつろいでいると、「戒厳令が発令された。すぐに出て来い」という緊急電話を受ける。テレビをつけて状況を確認すると、国会上空にヘリコプターが飛び交う映像が流れ、「何の通知もなく突然、戒厳令が始まるなんて、一体どういう冗談だ」と困惑する。
主人公は警察制服を着用し、国会周辺で道路を封鎖しながら同僚と会話を交わす。その中で「反国家勢力が国家を転覆しようとしているからだ」「野党が政府要人を弾劾したせいで腹を立てたらしい」という話が出ると、主人公は「反国家勢力? 共産主義者のことか? 野党議員も国民が選んだ人たちだろ? それなら国民も反国家勢力なのか?」と皮肉を交える。
戒厳令が解除されたというニュースを聞くと、「こんなことなら、なぜ戒厳令なんてしたんだ。まるで国民に銃を突きつけて遊んでいるようなものじゃないか。まさか国防相と酒を飲んで戒厳令を賭けたんじゃないのか?」と、さらに痛烈な批判を展開する。
動画の後半には国会前でデモをする市民の声も収録されており、「目を覚ましてください。これは内乱共謀罪です!」と叫ぶシーンや、「大統領が戒厳軍を国会に送り込んで自宅でぐっすり眠っているなんて話が通るか?」と怒りを爆発させる市民の発言も描かれている。
この動画は公開後すぐに視聴者から多くの反響を呼び、SNSやコメント欄には「事件が起きてまだ1日しかたっていないのに、これを作る行動力がすごい」「内容が核心を突いていて共感できる」「警察も現場ではきっとこんな気持ちだったはず」「市民の怒りを的確に代弁している」などの声が寄せられた。
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