【KOREA WAVE】プラスチック汚染対策に関する国際条約を議論する第5回政府間会合が11月25日~12月1日、韓国・釜山で開かれた。プラスチックの生産削減や有害化学物質の排除、資金調達など、重要な争点をめぐる合意が得られず、協約文の初稿すら完成しなかった。
2022年の第1回会議以降、石油産出国が生産削減に法的拘束力を持たせることに強く反対してきたが、その態度は今回も変わらなかった。会議中、議長が提示した「非公式文書(ノンペーパー)」でも生産削減の義務化が除外されたが、これに対しても石油産出国は「絶対反対」の立場を崩さなかった。
韓国政府は調停役を試みたものの、成果を上げるには至らなかった。キム・ワンソプ環境相がウルグアイ、フランス、ケニア、ノルウェーなどと面談をしたが、重要な当事国であるサウジアラビアとの議論は閉幕直前に実施されただけだった。
韓国が提案した妥協案には、リサイクル素材の使用拡大やPETボトルの再生材含有率を高めるなど、間接的な規制が含まれていた。しかし、気候変動への対応で石油をはじめとする化石燃料の使用が減る中、プラスチック削減は中東諸国にとっては経済的打撃を意味する。産油国経済の命運がかかっている問題だが、韓国環境省の妥協案には、これらの産油国が納得するような説得材料(インセンティブ)は不足していた。
環境保護団体グリーンピースなどは、韓国政府がプラスチック生産削減に向けた強力な協約を推進する積極的な行動を見せなかったとして失望感を示した。韓国が示した妥協案には、産油国の懸念を払拭するための具体的な提案が欠けており、結果として協議の進展を妨げたとの批判が上がっている。
今回の会議に続く「第5-2次会議(INC-5.2)」は来年、ケニアのナイロビで開催される可能性が高いとされている。韓国は次回の会議でより効果的な調停役を果たし、プラスチック汚染問題の解決に向けたリーダーシップを発揮できるかが問われている。【news1 ファン・ドクヒョン気候環境専門記者】
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