【KOREA WAVE】韓国で1人世帯が急増し、全世帯の35%を占めるまでになった。だが、この人口構造の変化が経済に与える影響として、所得格差の拡大や消費の減少が懸念されている。特に、1人世帯の大半が低所得層に属することが指摘され、持続可能な経済成長への課題として浮上している。
韓国銀行が12月3日に発表した「最近の1人世帯拡大の経済的影響評価」によると、2023年現在、1人世帯の約70%が年収3000万ウォン(約330万円)未満であることが明らかになった。また、1人世帯の平均所得(2606万ウォン)は、全世帯平均(3950万ウォン)に比べ34%低い。
年齢別に見ると、29歳以下では1人世帯と全世帯の所得格差は小さいが、30代以降になると格差が広がり、年齢が上がるほどその傾向が強まる。
1人世帯の純資産規模も全世帯に比べて低く、2023年の1人世帯の純資産の中位値は1億6000万ウォンで、全世帯平均(2億8000万ウォン)の59%に過ぎない。30代以降から資産格差が顕著になり、1人世帯の大半が全世帯の下位50%に分布している。
1人世帯の相対所得水準を国際的に比較すると、韓国は欧州諸国(70~90%)よりも低く、全世帯平均の60%台中盤にとどまる。韓国銀行の調査によると、1人世帯の増加速度が過剰に速い場合、社会や経済に歪みが生じる可能性があると指摘されている。
1人世帯の急増は、消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合)の低下にもつながっている。韓国銀行の分析によると、1人世帯の消費性向は多人数世帯に比べて明らかに低い。
特に、1人世帯の消費性向を抑制する最大の要因として「住宅費負担」が挙げられている。1人世帯のうち、ソウル・京畿道など首都圏に住む割合は40%を超え、住宅費の高騰が生活費を圧迫している。実際、1人世帯の支出のうち、家賃が占める割合は42.3%で、全世帯平均の約2倍に達する。特に29歳以下の1人世帯では家賃負担が64.1%に上り、パンデミック以降の家賃上昇がさらに負担を増加させているとみられる。
韓国銀行は「1人世帯の支援策として最も重要なのは住宅問題の解決だ」と強調。住宅費の負担が軽減されれば、1人世帯の消費支出が回復し、経済にも好影響を与える可能性があると述べた。また、1人世帯の増加が不動産市場に与える影響を評価し、政策的示唆を得るための追加研究を進めていると発表した。
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