韓国で2016年、パク・クネ(朴槿恵)大統領(当時)の失職に絡んで収監中のチェ・スンシル(崔順実)受刑者の娘チョン・ユラ氏が、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領による「非常戒厳」解除と翌年の予算案について、強い不満を表明した。チョン氏は与野党とも批判し、特に最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表による政権誕生の可能性に対して懸念を示した。
チョン・ユラ氏は7日、自身のFacebookに「野党が増額したムン・ジェイン(文在寅、前大統領)―イ・ジェミョン予算」という表を添付し、具体的な予算案を例に批判を展開した。「米国をはじめとする先進国は原子力発電に投資しているが、韓国は予算を削減して太陽光エネルギーに注力している。このような政策が積み重なると、韓国は気付かないうちに後進国になってしまう」と主張した。
さらに「地域商品券の発行に7000億ウォン(770億円)も投じるのは典型的なポピュリズムだ」とし、「国民が反対しても180議席の力で押し切るのが独裁ではないのか。これは共産化の第一歩だ」と指摘した。また、「国防予算や庶民支援を削減してまでセマングム空港に投資するのは正常ではない」と述べた。
チョン氏は「イ・ジェミョン代表が政権を握れば、ムン・ジェイン政権時代の国の借金よりもさらに酷い状態になる」と懸念を示した。
チョン氏は3日、ユン大統領が「非常戒厳」を宣言した際、「これにより、左派はすべて与敵罪で軍法に基づき処罰されることを望む」と期待感を示していた。さらに「ついに戦いの舞台が整った。この瞬間をどれほど待ち望んでいたか。国を正常化し、立法やくざである共に民主党を解体しよう」と述べていた。
ところが、非常戒厳がわずか6時間後に解除されると、チョン氏はユン大統領に対して「勇敢だと思っていたが、ただ無謀だっただけだ。失望した。保守は崩壊し、国も滅びた」と述べた。
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