【KOREA WAVE】韓国のウェブトゥーン「70」が最近の政治状況に類似しているとして注目されている。この作品は2013年8月から2016年12月まで、カカオエンターテインメントの前身であるダウムウェブトゥーンで連載され、「検事出身の大統領が特別部隊や情報機関を動員して国会議員を拘束するというストーリーが現実に重なる」というのだ。
この作品は1953年の朝鮮戦争休戦から70年後の2023年、朝鮮半島が再び戦争に巻き込まれる様子を描いている。作品内の大統領キム・テウォンも検事出身。与野党問わず議員が中国から賄賂を受け取り、国政がまひする状況が展開される。ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が主張した「国政運営の混乱」と重なる点が多い。
キム大統領は「軍以外に信頼できる勢力がない」と判断し、特別部隊のリーダーである主人公に秘密任務を命じる。ユン大統領が国防相と組んだのとは異なり、物語では国防相が大統領の指示を妨害する国家転覆勢力として描かれる。
物語では国会や政府が反国家勢力に掌握されたと感じたキム大統領が、国会の同意なしに北朝鮮に宣戦布告し、特別部隊を派遣して議員らを拘束するシーンもある。
この連載は2016年12月に中断した。カカオエンターテインメントは、作者の個人的な事情で中断されたもので、外部からの圧力ではないと説明している。しかし、一部では南北間の対立をあおる内容が問題視された可能性や、当時のムン・ジェイン(文在寅)政権の融和政策の影響で中断されたとの憶測がある。
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