【KOREA WAVE】韓国の百貨店業界で「VIP」の獲得競争が激化している。不況が続く中、売り上げ全体の8~9割を占める上位10%の顧客向けにサービスを差別化することが売り上げ向上の鍵になっているからだ。
韓国の百貨店ではVIP顧客による売り上げが増加傾向にある。例えば大手の新世界(シンセゲ)百貨店江南(カンナム)店では今年の累計売り上げが3兆ウォン(約3300億円)を超え、昨年より1カ月早く「3兆クラブ」に到達した。VIP顧客の売り上げ構成比は51.3%に達し、前年の49.9%からさらに拡大した。
ロッテ百貨店の最高売り上げ店舗である蚕室(チャムシル)店も3兆ウォン突破を目前にしている。
各店舗はVIP向けサービスの強化に注力している。新世界百貨店は2025年から新たなVIP階級を設定し、年間購入金額の基準を引き上げる。最高ランクの「ブラックダイヤモンド」には専用ラウンジ利用や系列店の最上級メンバーシップ特典が付与される見通しだ。
ロッテ百貨店も顧客ランク別の特典の充実を図り、海外店舗との連携も強化している。また、現代(ヒョンデ)百貨店やギャラリア百貨店も同様にVIP顧客に特化したプランの導入を進めている。
業界関係者は、常連のVIPを維持するためにはプレミア志向を満たす差別化が不可欠だと指摘。今後、各社間の競争はさらに激化するとみられる。
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