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[KWレポート] 警察庁トップの異例の任命、見え隠れする「戒厳準備」 (上)

KOREA WAVE 2024年12月18日 17時30分

【KOREA WAVE】
5日午後、戒厳事態に関する質疑に答えるイ・サンミン(李祥敏)行政安全相(右)。中央が警察庁のチョ・ジホ(趙志浩)長官、左がソウル警察庁のキム・ボンシク氏(金峰埴)長官(c)news1

「(今年の)初夏ごろ、夕食の席で時局について話をしている際、(ユン・ソンニョル)大統領が戒厳について言及しました」

ヨ・インヒョン(呂寅兄)国軍防諜司令官が検察に証言した言葉だ。ヨ・インヒョン氏はユン大統領、キム・ヨンヒョン(金龍顕)国防相と共に「忠岩派」と呼ばれている。ユン大統領、キム・ヨンヒョン氏、ヨ・インヒョン氏はいずれも「忠岩高校」出身で、「12・3非常戒厳」を設計・実行した“中心人物”とされている。

ヨ・インヒョン氏の言葉が事実ならば、ユン大統領は初夏(5~6月)に戒厳を念頭に置いていたことになる。軍事専門家たちも「ユン大統領が少なくとも数カ月間、戒厳を準備していたはずだ」と推測している。ユン大統領は一体どのような準備をしていたのだろうか。

◇「戒厳見据えた人事」

国会議員らの戒厳解除要求決議案を阻止するために国会を統制し、政敵である最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表や与党「国民の力」のハン・ドンフン(韓東勲)代表らを逮捕する作戦に、軍だけでなく警察力も動員されていた、あるいは動員しようとした状況が次々と明らかになっている。「戒厳の夜」当時、計26個の警察機動隊(推定総勢1500人余り)が投入され、国会を統制した。

当時の警察指揮ラインのトップには「警察序列1位」のチョ・ジホ(趙志浩)警察庁長官官、2位のキム・ボンシク氏(金峰埴)ソウル警察庁長官官がいた。チョ・ジホ氏が指示を出し、キム・ボンシク氏氏がそれを検討した後、現場に伝達する形だった。

2人は3日午後7時ごろ、ソウル市鍾路区の大統領安全家屋(安家)=大統領を敵対勢力から保護する場所=でユン大統領と向かい合った。ユン大統領が非常戒厳を宣言する1時間25分前のことだった。ユン大統領は安家で「掌握対象機関」(国会・MBC・世論調査会社など10数カ所)を列挙したA4用紙1枚分の文書をチョ・ジホ氏とキム・ボンシク氏氏に渡した。

ここまでは広く知られている事実だ。

ここから注目すべきは、チョ・ジホ氏とキム・ボンシク氏氏の「就任時期と背景」である。チョ・ジホ氏は今年8月に大統領から任命を受け、全国13万人の警察官を総括する警察庁長官官に就任した。キム・ボンシク氏氏も同じく8月、ユン大統領の任命によりソウルの治安を担うソウル庁長官になった。ユン大統領が初夏に戒厳を念頭に置いていたと仮定すると、夏(8~9月)に2人を相次いで任命したのは、戒厳を見据えた人事ではなかったかという分析が可能だ。

◇「警察の実力者」

チョ・ジホ氏は警察庁長官になる前からすでに「実力者」と呼ばれていた。2022年12月28日に警察庁次長に就任した後、「庁長より怖い次長」と評価されていた。警察庁次長は警察庁長官に次ぐ警察庁序列2位の役職であり、警察法第15条によって警察庁長官を補佐し、庁長が不在の際には業務を代行する。しかし、業務上の役割から見ても、警察庁次長は存在感の大きいポジションではない。

しかし、次長時代のチョ・ジホ氏は違っていた。チョ・ジホ氏は「補佐すべき」ユン・ヒグン警察庁長官(当時)に対して、しばしば反論したという。組織改編や麻薬犯罪対策などの主要な懸案を議論する幹部会議で、ユン・ヒグン氏に対してあまりにも率直に意見を述べたため、会議の雰囲気が凍りつくことがあった。ユン・ヒグン氏が休暇中、チョ・ジホ氏がユン・ヒグン氏の承認を受けた案件について、幹部に「やめろ」と指示したという話もある。

当時は企画畑出身のチョ・ジホ氏が原則主義であり、仕事が非常にできるからだという見方が多かった。しかし、一方では次のような話も出ていた。

「チョ・ジホ氏が大統領府とのコネがユン・ヒグン氏よりも強いのだ」

地方の事業家が大統領府の実力者とチョ・ジホ氏の間を取り持ったという噂もあるが、これは確認されていない。いずれにせよ、警察庁序列2位の時からチョ・ジホ氏の影響力が並外れていたことは明らかだった。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News

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