【KOREA WAVE】韓国で屋外配達ロボットが横断歩道を渡る際、乗用車と接触する事故が発生した。双方の間で円満に合意は成立したが、今後同様の事故が発生した場合の責任の所在について課題を残した。
自動車オンラインコミュニティー「ボベドリーム」に最近、あるドライバーから投稿があった。それによると、ソウル近郊の仁川・松島(インチョン・ソンド)で3日に屋外配達中のニュービリティーの自律走行ロボット「ニュービ」と事故を起こしたという。
このドライバーは「信号が青に変わったが、一部の歩行者は信号を無視して横断していたため、待ってから発進しようとした。そのとき、信号を無視して後ろから横断してきた自律走行ロボットが車に衝突した」と明らかにした。
事故の衝撃で助手席側のヘッドランプやフェンダー、前後のドアが損傷した。その後、ロボットが移動する過程で車の右側面を傷つけたという。信号を無視して車道に飛び出してきたロボットを避けられなかったことについて、このドライバーは「過失があると言われるのは納得できない」と主張した。
ロボット運営会社「ニュービリティー」は「ロボットは横断歩道では自律走行するが、信号の認識が難しい環境では遠隔操作で運行する。事故当時、信号機の認識が難しく、他の歩行者が横断するのを見て青信号と誤認し、事故に至ったようだ」と説明している。
また「現場から逃走しようとした」というドライバー側の主張については事実ではないと否定している。同社は「事故後、交通の流れを妨げないようロボットを移動させた際に誤解が生じた。前例のない事故であるため、関連部署に報告し、改善策と再発防止策を検討している」としている。
そのうえで同社は「会社にも過失があることを認めている。車の所有者に事故について謝罪し、警察への事故届けと保険処理を案内した。事後対応に問題がないよう万全を期す」と強調した。
ニュービリティーは9月、配達アプリ「ヨギヨ」と提携し、松島地域でロボット配達サービスを開始した。松島市街地の計6カ所に24台のロボットを投入し、近距離の配達業務をしている。
今回事故を起こしたロボット「ニュービ」は、1月に韓国初の屋外移動ロボット運行安全認証を取得した自律走行ロボットだ。この認証により、ロボットは道路交通法上「歩行者」と同じ法的地位を持つようになり、地域の制限なく歩道を走行することが可能になった。
しかし、これまで事故事例がなかったため、事故時の責任や補償の範囲についての議論が不足していた。
あるロボット業界関係者は「自律走行ロボットが屋外業務に投入され始めたことで、事故の可能性は予測されていた。ロボット産業の規制が緩和され始めたばかりの現状では、人間とロボットが共存できるよう十分な社会的合意が必要だ」と指摘している。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News