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脱プラスチック時代、セルロースマスクが環境負荷軽減に貢献…韓国で研究

KOREA WAVE 2024年12月22日 10時0分

(c)news1

【KOREA WAVE】天然繊維であるセルロース製の使い捨てマスクが、石油化学系のポリプロピレン製プラスチックマスクより温室効果ガスの排出量を15.6%削減することが明らかになった。これは製造から廃棄までの全過程における二酸化炭素排出量を追跡した結果だ。

製造過程での電力消費量は、セルロースマスクが約2倍高かったが、製造過程の電力消費を最適化すれば、使い捨てマスクの生産時の温室効果ガス排出量を大幅に削減できるという。

韓国・忠南大学環境工学科のチャン・ヨンチョル教授のチームによると、セルロースマスクは1トン生産時に約6.06トンの温室効果ガスを排出することが算定された。これは全過程(LCA:ライフサイクルアセスメント)での製造・輸送・廃棄の3つの段階で排出される温室効果ガスの合計であり、プラスチックマスク(7.18トン)に比べ15.6%低い数値だ。

段階別の温室効果ガス排出量を比較すると、製造段階ではセルロースマスク(4.40トン)がプラスチックマスク(5.34トン)より約0.9トン少なかった。輸送段階ではセルロースマスク(0.24トン)がプラスチックマスク(0.18トン)より多かった。

廃棄段階では、セルロースマスク(1.41トン)がプラスチックマスク(1.65トン)より低かった。これは、プラスチックマスクは埋立時に分解に450年以上かかるのに対し、セルロースは生分解性があるためだ。

一方、製造段階でセルロースマスクはプラスチックマスクに比べ1.6倍の電力を消費した。チャン教授チームは「セルロース繊維の抽出および加工過程で電力消費量が多かった」と説明した。

また、「セルロースベースのマスクの製造過程で再生可能エネルギーを活用し、工程効率を向上させれば、温室効果ガスの排出量をさらに削減できる」と強調した。これにより、長期的にLCAの観点から「カーボンニュートラルに近いマスク」の開発が可能になるという。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News

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