【KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は自身に対する内乱容疑について、「内乱とは全く無関係だ」と主張し、本格的な反撃に乗り出した。法廷での法理論争と並行して、保守層を中心に世論戦を展開する姿勢を鮮明にしている。
ユン大統領は14日に国会で弾劾案が可決されて以降、ソウル・漢南洞の官邸に滞在しており、公開の場には一切姿を見せていない。一方で、弾劾審理が今週から始まる憲法裁判所に備え、弁護団と共に法的な反論を練っているとみられる。
ユン大統領側は、内乱罪の構成要件である「国憲を乱す目的」(刑法第91条2項)に該当しないとする法理を前面に出し、戒厳令の発令から解除までが法的手続きに則っていたと強調する見通しだ。また、戒厳令は政権掌握の目的ではなく、正当な大統領権限の行使だったと主張するとみられる。
ユン大統領は、憲法裁判所の弾劾審理において自ら出廷し、「戒厳令=高度な統治行為」であると直接主張する意向を示しているという。この点は、弁護団の主要メンバーである弁護士が「内乱罪に当たる根拠が全くない」と強調した19日の記者会見で既に触れられている。
ユン大統領が公の場から姿を消す一方で、弁護団を通じて世論形成を図っている。過去数日の記者会見を通じて、保守層を結束させる発言を続けている。また、大統領は捜査機関による召喚要請や憲法裁判所からの文書送付を全て拒否し、捜査に協力しない姿勢を貫いている。
支持基盤である70代以上の高齢層や保守的な地域での支持率は一定の上昇を見せており、保守層の結束を背景にした時間稼ぎ戦略ではないかとの指摘もある。特に来年3月の野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表の選挙法違反判決を念頭に、与党が政治的な有利な状況を模索しているとの見方が強い。
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