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異常気象と政局不安…韓国ファッション業界「極端な二極化消費」のニューノーマルへ

KOREA WAVE 2024年12月24日 11時0分

(c)news1

【KOREA WAVE】韓国のファッション業界は今年、物価高・高金利に加え、異常気象や政局不安といった複合的な要因で経済的な不確実性が高まり、業績改善に苦戦を強いられている。

第3四半期までに主要ファッション企業は前年を下回る成績を記録しており、年末商戦や第4四半期での挽回を期待していたが、消費低迷により厳しい状況が続いている。各企業は在庫回転率の改善や、2025年春夏シーズンに向けた戦略の見直しを進めている。

産業通商資源省が発表した「2024年主要流通業者の売り上げ動向」によると、ファッション・アパレル分野の売り上げは8月に前年同月比-17.8%、9月-16.0%、10月-9.8%と減少傾向が続いている。これに伴い、サムスン物産、新世界インターナショナル、ハンセム、コーロンFnCなどの主要企業も、それぞれ30~50%近い営業利益の減少を報告している。

特に、異常気象による長期的な猛暑と年末の政局不安が販売環境をさらに厳しくしている。業界関係者は「第4四半期は年間の業績を左右する重要なシーズンだが、今年は消費者の購買意欲が著しく低下している」と述べた。

在庫問題も深刻だ。特に冬物が売れ筋となるアウトドア業界では、在庫回転率が2回程度にとどまり、年間売り上げの半分が在庫として残る可能性が高いという。

一方で、各ブランドは生産量調整や在庫管理を強化し、在庫品の処理に力を入れている。来年2月から始まる2025年春夏シーズンに向けての準備を進めながら、冬物の在庫費用による営業利益の圧迫を最小限に抑える努力が続けられている。

ファッション業界では、政治リスクや業界全体の低迷が続く中、消費行動の「二極化」がさらに進むとの見方が強い。高所得層をターゲットにした高級ブランド市場と、低価格を重視するSPA(製造小売)市場の二極化が進む中、それぞれの市場での競争力確保が企業再編の鍵になると予想されている。

業界関係者は「来年もファッション市場の成長は期待できないため、慎重な事業計画の見直しが必要だ」と語った。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News

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