【KOREA WAVE】韓国のHD現代グループ主要造船子会社「HD韓国造船海洋」は13日、アナリスト向けの新年説明会を開催し、2025年中に米海軍艦艇の整備・修理・運用事業で2~3隻以上の受注を目標とする計画を明らかにした。地政学的な不確実性の高まりを背景に、今年の造船業界に明るい見通しを示した格好だ。
説明会にはHD現代重工業などの経営陣も参加し、今年の事業計画や市場見通しについて説明するとともに、投資家の関心事項に関する質疑応答があった。
HD韓国造船海洋は、米中間の貿易摩擦や中国の造船・海運業界に対する米国の規制が、韓国産船舶への需要拡大を促す要因になると分析している。グローバルな船主が韓国製の船舶にシフトする動きが強まっており、これが韓国造船業界にとって追い風になるという見方だ。
また、最近の船価指数の停滞については、一部の造船会社が十分な受注を確保できなかったことが原因であり、韓国の大手造船会社が新規契約を増やすにつれ、船価は再び上昇すると予測している。
HD韓国造船海洋は、北米市場攻略のための現地造船所への投資を慎重に検討している。現地での労働力不足や資材供給網の脆弱(ぜいじゃく)性といった問題を考慮し、無理のない段階的なアプローチをとる方針だ。
さらに、グループ全体の中長期計画として、HD現代重工業の持株比率を現在の75%から70%まで下げる方針を示している。ただし、金融市場の状況を十分に見極めた上で進める予定だという。
HD韓国造船海洋としては、地政学的な不確実性を逆手に取り「K-造船」の競争力をさらに高める戦略を展開し、これにより、グローバル市場でのプレゼンスを一層強化したい考えだ。
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