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「窓が発電所に」建物が再生エネルギー拠点に…韓国・ゼロエネルギー建築が加速

KOREA WAVE 2025年1月23日 9時0分

LG電子(c)news1

【KOREA WAVE】韓国で今年からゼロエネルギー建築物認証制度が、1000㎡以上の建物や30世帯以上の集合住宅を対象に民間にも義務化される。これにより建築物でのカーボンニュートラルへの取り組みが本格化する。

ゼロエネルギー建築物認証制度は、エネルギー自立率に基づいて評価される。自立率が高い場合、容積率や建物高さなどの建築基準が緩和される特典がある。エネルギー効率を高めるには、消費を抑えるだけでなく、エネルギー自体を建物で生産する必要がある。

その一環として、外壁に太陽光パネルを取り付けるだけでなく、窓から発電する「太陽光窓」の技術が注目を集めている。この技術は室内への過剰な日射熱を抑える効果もあり、建物の温度管理に貢献できる。

太陽光窓技術には、ペロブスカイト太陽電池や量子ドット挿入法などの多様な方式が試みられている。

ペロブスカイト太陽電池は特有のイオン構造を持ち、光を吸収して電流を発生させる。ロール・ツー・ロール方式で製造が可能で、薄膜状で半透明な形状にも対応できる。この薄膜を窓に貼り付けて回路を接続することで、普通の窓が発電装置として機能する。

一方、量子ドット太陽電池は光を吸収して生成される電子を利用する方式で、多様な波長の光を活用できるのが特徴だ。この技術では、窓の製造過程で量子ドットを窓そのものに組み込む方法が採用されている。

また、これらの技術は自動車のサンルーフや温室など、建築物以外への応用も可能だ。

太陽光窓はまだ研究段階にあり、発電効率の向上と商品性の確保が課題となっている。特に商品性においては、窓として光を透過する機能と、太陽電池として光を吸収する特性のバランスが重要である。効率を重視しすぎると、単なるパネルで窓を覆う方が実用的になる可能性もある。

量子ドット技術は、透明な太陽光窓の実現に向けて期待されているが、発電効率のさらなる改善が必要だ。

窓自体を発電装置にするだけでなく、太陽光ブラインドの技術も開発されている。これはブラインドに太陽光素子を埋め込む方式で、太陽の位置に合わせてブラインドの角度を調整し効率を高める利点がある。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News

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