【KOREA WAVE】10年以上にわたって学費を凍結してきたソウルの大学が、財政難に耐えかねて2025年度の学費を次々に引き上げている。教育省は奨学金規定の緩和を進めることで学費凍結を呼び掛けたが、大学側は「これ以上は不可能」として学費の引き上げに踏み切っており、地方からソウルに出てきた学生の負担がますます重くなっている。
都心に住んでいた24歳の学生は生活費の負担を減らすため、都心から地下鉄で10分の距離に下宿先を移した。図書館を利用したり、友人と会ったりするためには学校周辺のほうが便利だが、家賃を月15万ウォン(約1万6500円)節約できるからだ。
不動産情報プラットフォーム「ダバン」がソウルの主要10大学周辺のワンルームの平均家賃と管理費を分析した結果、ソウル市内の大学近くのワンルームの平均家賃は昨年約60万ウォン(約6万6000円)で、管理費は7万9000ウォン(約8700円)だった。
今年は学費引き上げの発表が相次いでいる。ソウルの私立大学で17年ぶりに学費を引き上げたのは、西江(ソガン)大学、国民大学、延世(ヨンセ)大学、韓国外国語大学など。平均引き上げ幅は5%に近い。高い物価と家賃、学費引き上げにより、学生は3重の負担を強いられている。
学費引き上げについて大学側は教育環境を改善するためとしているが、在学中の学生たちはその恩恵を受けることが少ないことを懸念している。学費引き上げにより、特に地方から上京した学生たちの負担が増し、奨学金の借り入れ額が増加することを心配する声も上がっている。
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