【KOREA WAVE】「非常戒厳」を捜査中の韓国検察は、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領を「国憲を乱す目的の暴動事件の首謀者」と断定した。昨年の総選挙での惨敗により追い詰められたユン大統領は「非常大権」の発動を示唆し始め、キム・ヨンヒョン(金龍顕)国防相(当時)に対し、戒厳令の準備から発動、解除に至るまで全過程を指示していたことが明らかになった。
news1が最大野党「共に民主党」のキム・ヨンミン議員室を通じて入手した起訴状によると、ユン大統領は▽野党による法案の単独処理▽公職者の弾劾▽予算削減▽不正選挙疑惑や世論操作――などを理由に「国政運営が困難になった」として非常戒厳を決定したとされる。(以下、肩書は「非常戒厳」宣布当時)
◇総選挙敗北後に「非常大権以外、ない」
ユン大統領は昨年3月末から4月初めにかけて、ソウル市鍾路区三清洞にある大統領の秘密施設「安全家屋(安家)」でキム・ヨンヒョン氏(当時は大統領警護処長)らと面会した。
「『非常大権』を通じて乗り越えるしか方法がない。軍が出なければならないのではないか。軍が積極的な役割を果たすべきではないか」
戒厳を示唆するこんな発言をした。
その後も何度か類似の発言をしていたユン大統領は、同年11月24日ごろ、キム・ヨンヒョン氏(この時は国防相)につぎにのように語った。
「本当にこのままで国が大丈夫なのか。これが国なのか」
「正さなければならない。国会が悪行を重ねている。未来世代にまともな国を残すためには特別な対策が必要だ」
この発言を聞いてキム・ヨンヒョン国防相は、近いうちにユン大統領が「非常戒厳」宣布を決断する可能性があると考え、事前に戒厳令宣言に必要な▽戒厳宣言文▽国民向け談話文▽布告令の草案――を準備することを決め、同年12月1日ごろまでにこれらの草案を整えた。
ユン大統領はこれから約1週間後、高校の同窓生であるキム・ヨンヒョン国防相やヨ・インヒョン国軍防諜司令官と会い、野党の弾劾推進や予算削減を批判しながら次のように語った。
「憲法上の非常措置権、非常大権を使わなければ、この難局は乗り越えられない」
◇「その兵力を国会・選管に投入すればいいな」
ユン大統領は12月1日午前11時ごろ、キム・ヨンヒョン国防相を呼び出し、野党が22件の弾劾を発議し「悪行を働いている」として、非常戒厳下での兵力動員について尋ねた。キム・ヨンヒョン国防相は動員可能な兵力を報告した。
これを受け、ユン大統領は警察力を優先的に配置し、軍は幹部中心に投入する場合の人員規模について尋ねた。キム・ヨンヒョン国防相が「約1000人未満が可能」と答えると、大統領は次のように発言した。
「その程度の兵力なら、国会と選挙管理委員会に投入すればいいな」
また、ユン大統領はキム・ヨンヒョン国防相に戒厳に必要なものを尋ね、キム・ヨンヒョン国防相は自身が準備した戒厳文書の草案を報告した。
ユン大統領は戒厳布告令の中の「夜間通行禁止」部分を削除するよう指示するなど修正を命じ、翌日の夜、キム・ヨンヒョン国防相が修正した戒厳文書を確認し、これを承認した。
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