【KOREA WAVE】韓国の航空会社が運航する旅客機の3割が個人用電子機器の充電ができないことがわかった。エアプサン機火災を受け、モバイルバッテリーの持ち込みを制限すべきだとの声が高まるなか、スマートフォンやタブレットPCに動画を保存して機内で視聴する乗客とのトラブルが予想される。
news1が国内航空会社10社の旅客機における電源(コンセント)またはUSB充電未対応の機種を調査したところ、全373機のうち123機が機内充電不可であることが確認された。全体では未対応率は33.0%だが、大手航空会社は8.5%と比較的低く、格安航空会社は65.2%に達した。
航空会社別の充電未対応率は、大韓航空(6.3%)、アシアナ航空(13%)とFSCでは比較的低かった。しかし、LCCでは▽エアロK(100%)▽イースター航空(93.3%)▽済州航空(82.1%)▽ティーウェイ航空(70.3%)▽エアソウル(66.7%)▽エアプサン(61.9%)▽ジンエアー(32.3%)――と、多くの機体で機内充電ができない状況だった。
LCCで充電未対応の機体が多いのは、旧型機の運用が続いているためだ。韓国のLCCは創業初期に他社が使用していた中古機をリースして運航し、事業が安定すると新造機を導入する形を取っている。
また、LCCのビジネスモデル上、機内サービスを最小限に抑える方針を取っているため、戦略的に充電設備を設置しないケースもある。例えば、大韓航空やアシアナ航空の旧型機にはUSB充電ポートがなくても、コンセントが備えられている場合が多い。
そのため、機内でモバイルバッテリーの使用が全面禁止された場合、FSCよりもLCCが受ける影響が大きいと予想される。
国土交通省は4月を目標に機内モバイルバッテリー持ち込み規制の強化を進めている。
最近では、乗客がNetflixやDisney+などの動画配信サービスを利用して、個人端末に映画やドラマをダウンロードして機内で視聴するのが一般的になっている。このため、機内充電もモバイルバッテリー使用も禁止されると、乗客の不満が高まる可能性がある。
LCCもかつての短距離路線主体から5~6時間の中距離路線へと進出を拡大しているため、充電環境の整備は喫緊の課題となっている。
エアプサン機の火災事故の原因はまだ明らかになっていないが、機内収納棚に置かれたモバイルバッテリーが発火原因ではないかとの見方が強い。
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