犠牲者は海の底にまだ眠ったままです。
戦時中、宇部市の海底炭鉱・長生炭鉱で起きた水没事故の犠牲者を弔う追悼式がおととい(3日)行われました。
宇部市の長生炭鉱跡地には、「ピーヤ」と呼ばれる排気口が今も残っています。
水没事故では183人が犠牲となり、そのうち7割以上が朝鮮半島の出身者でした。
今年も韓国からは犠牲者の遺族6人が訪れ、ピーヤの下に眠る肉親に手を合わせました。
(遺族)
「毎年のことですがもどかしいです。まだ犠牲者が海底にいるので本当にもどかしいです」
追悼式には、小雨の降る中およそ130人が参加しました。
毎年、事故が発生した2月3日に開かれていて、主催する団体は、今後も遺骨の発掘と返還の実現に向け努力を続けてゆく考えを明らかにしました。
(長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上共同代表)
「今年中に坑口をあけたいです。共に力を結集してくださるよう心よりお願い申し上げます」
太平洋戦争の開戦で石炭の需要が高まる中、無理な採掘を続けた結果起こった、水没事故―
82年が過ぎた今なお海底に眠る 犠牲者の冥福を、参加者は静かに祈りました。