2016年に大島商船高専の男子学生がいじめを原因として自殺したことを受け、風化の防止やいじめの根絶を願い学校で植樹が行われました。
きのう(3日)亡くなった男子学生の遺族が大島商船高専を訪れ、校長や現役の学生らと共に常緑ヤマボウシとシバザクラを植樹しました。
2016年5月、大島商船の当時1年生だった男子学生が校舎から飛び降り、自殺した問題では、遺族からの要望で設置された第三者委員会が2021年、クラスメートからのいじめ22件を認定し、自殺の原因は「明らかにいじめである」と結論づけています。
植樹は、遺族側が事案の風化を防ごうと学校に要望したもので、場所は、学生が一番多く通る校内の道路沿いが選ばれました。
常緑ヤマボウシは、男子学生の命日の5月から誕生日の6月ごろにかけて白い花を咲かせます。
(男子学生の母親)
「息子が亡くなってからずっと同じようなことが起こらないようにと思っていた。そのためにも息子の自死事案は風化させてはいけないし、記憶の継承は大事と思うので、第一歩を踏めた」
大島商船は今後、祈念樹の近くに看板などを設置するほか、場所の名称を学生から公募する方針です。
遺族側はいじめをしたとされる学生との対面を求めていますが、実現しておらず、大島商船は「調整を続けている」としています。