1988年の周辺整備着手から36年…岩国市錦町で平瀬ダムの完工式が開かれました。
錦川流域の水害軽減に期待が寄せられています。
式では、山口県の村岡知事や岩国・周南の市長らがテープカットをして平瀬ダムの完工を祝いました。
(記者)「真新しく巨大なダムが錦川上流に完成しました。総貯水容量はおよそ3000万㎥、県内で5番目に大きいダムです。」
堤の高さ73m、幅300mの平瀬ダムは、錦川の治水や発電などを目的に山口県と県企業局、岩国市が建設しました。
1988年に周辺整備、2014年にダム本体の工事に着手し、総事業費はおよそ920億円。
民主党政権時代には事業の妥当性を検証する対象にもなりました。
幾度と洪水被害に見舞われてきた錦川流域。
これまでは主に菅野ダムと生見川ダムで洪水調節を行ってきましたが、これに平瀬ダムが加わることで、調節容量が1.8倍に増えることとなります。
一方でダム建設に伴い、木谷原集落と平瀬集落の35世帯が移転に協力。
かつての集落は「猿飛湖」と名付けられたダム湖の底に沈んでいます。
こちらの女性は、集落にあった赤い橋が心に残っていると話しました。
(かつて木谷原に居住の女性)「思い出の橋だった。橋がなくなったらふるさとがなくなったような感じ。(ダム建設は)いいことと思う。錦帯橋の方も助かるし。」
(村岡知事)「大変に洪水被害に苦しめられた地域が、しっかり水を管理し素晴らしい水環境を維持し、生活や産業にも生かしていくダム。しっかり発揮されるよう管理に努めたい。」
山口県は4月以降、平瀬ダムと菅野ダムを統合管理する方針です。
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