2日午前、下関市の幼稚園で火事があり、園児たちにけがはありませんでしたが国の登録有形文化財の貴重な園舎が燃えました。
下関市の中心部…小高い丘の上から煙が上がっています。
燃えていたのは古い洋風の建物…めぐみ幼稚園の第二園舎です。
警察や消防によりますと2日午前10時半ごろ「建物が燃えている」と119番通報がありました。
幼稚園は、いまは春休み中で預かり保育の園児3人が登園していたということですが、外遊びをしていて無事だったということです。
園舎の中には園の関係者や保護者ら数人がいましたが、逃げ出して怪我はないいということです。火は、およそ1時間後に消し止められています。
(近所の人は)
「ここから煙が見えたのでちょっとびっくりして幼稚園の火事だなと焦りました」
火事の現場を確認します。めぐみ幼稚園があるのは下関市の上田中町。すぐそばには亡くなった安倍晋三元総理の自宅もあります。
焼けためぐみ幼稚園・第2園舎の映像が残っていました。
2006年に撮影した映像。
第二園舎は、木造2階建てのかつての宣教師住宅。いまから119年前明治38年に長崎で建てられた後、下関に移築居留地に建てられた住宅などの特徴を表していて国の登録有形文化財に指定されています。
めぐみ幼稚園では、いまも園舎として使っていたということです。
貴重な文化財が焼ける火事…県や下関市の文化財担当者らが訪れ現場を確認しています。下関市教育委員会文化財保護課は「早急に被害把握に務め
所有者の方針もあるので、国とも相談しながら適切な対応をしていきたい」
としています。
山口近代建築研究会一級建築士の原田正彦さんは「明治大正を経た貴重な建物であり、幼稚園として使われていた「リノベーション」の先駆け的なものでもあった。被害の程度はわからないが、大変惜しいことだと思う」と話しています。
警察やめぐみ幼稚園によりますと第二園舎の前では当時、雑草を燃やしていたということでその火が園舎に燃え移ったものとみられています。
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