1億4000万円を超える使途不明金の全容解明となるのでしょうか?
周南市文化振興財団が開いたコンサートなどのチケット販売代金およそ30万円をだまし取ったとして元職員の男が詐欺の疑いで逮捕されました。
詐欺の疑いで逮捕されたのは周南市文化振興財団の元職員で派遣社員の山本孝泰容疑者56歳です。(やまもと・たかやす)
周南警察署によりますと山本容疑者は去年5月、コンサートなどのチケットの販売を委託していた2つの取引先から集金と偽り現金およそ30万円をだましとった疑いがもたれています。
調べに対し山本容疑者は取引先から現金を受け取った事実は認めているものの「集金のつもりで財団に渡すつもりだった」と供述し容疑を否認しているということです。
山本容疑者は長年、財団の集金業務を担当していましたがコンサートの売上金や出資金などおよそ1億4200万円の着服に関与したとして去年8月に懲戒解雇されていました。
周南市文化振興財団で起きた巨額の使途不明金をめぐる事件。これまでを振り返ります。
財団の説明によりますと事件が発覚したのは去年5月。
60代の男性元職員が「コンサートの売上金などを着服し、帳簿を偽装していた」と申し出ます。
関与していたとみられるのはこの男性元職員と山本容疑者の2人でした。
財団は調査を進め7月に入り会見を開きこの問題を公表。
2021年度の決算と、実際の預金には1億4000万円を超えるズレ、使途不明金がありました。
で、今回の山本容疑者の詐欺事件犯行はどのタイミングで行われたかというと去年5月、財団が使途不明金を把握した後でした。
山本容疑者は3回にわたり、取引先から現金をだましとっていますが1回目の犯行が実行されたのは 5月13日です。
で、この日が何の日だったかというと、使途不明金の問題の発覚を受け、山本容疑者が財団から休職の処分を受けた日なんです。
この日の早朝に休職処分を言い渡された山本容疑者はすでに集金する権限はないにも関わらず防府市の取引先に出向き集金と偽りチケットの売上金およそ21万円をだまし取りました。
7月に事案を公表するまで山本容疑者の休職処分については取引先にも知らされていませんでした。
(藤井律子理事長)
「市民の皆様にご心配おかけいたしましたことお詫び申し上げます。今後も警察の捜査に全面的に協力し、事件の全容解明に向けて取り組んでまいります。」
今回、逮捕された詐欺の被害額はおよそ30万円。
財団の使途不明金は1億4000万円を超えています。
県警では残る使途不明金についても業務上横領の疑いなどで捜査を進めていて巨額使途不明金事件の全容解明を行う方針です。
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