JRの銅製ケーブル「レールボンド」が山口県内で相次いで盗まれた事件で、県警は14日までに5人の男をJRが発表した被害か所すべてについて立件し、一連の捜査を終結させました。
窃盗の疑いできょうまでに立件されたのは、宇部市の会社役員の男(28)、宇部市の自動車修理業の男(22)ら男5人です。
この事件はことし2月県内のJRの線路から「レールボンド」と呼ばれる銅製のケーブルが相次いでなくなっているのが見つかったものです。
JR西日本によりますと、被害にあったのはJR山陽線・宇部駅周辺などで計220カ所=約450本に上っていました。
警察はきょうまでにJRが発表した被害箇所のすべてについて立件し、一連の捜査を終結させました。
男らは動機について「生活費や遊興費のため」と話していて、おおむね容疑を認めているということです。
警察への取材から、犯行の全体像が見えてきました。
今回の犯行はまず、鉄道関係の仕事に勤めた経験のあった自動車修理工の男が「レールボンド」に目を付け、知人の4人に声をかけたことではじまったといいます。
犯行は、2月6日から9日までの3日間、いずれも午前0時から4時40分ごろまでの未明の時間帯を狙い、役割分担をして行っていました。
会社役員の男と自動車修理業の男は見張り役や運搬役、残りの3人はレールボンドを切断する役割で適宜、犯行に加わっていたといいます。
盗んだレールボンドはその日のうちに会社役員の男が市内の買い取り業者へ持ち込んで換金していました。
この際、会社役員の男は偽名を使ってレールボンドを売却したとして組織犯罪処罰法違反の疑いでも書類送検されています。
警察は、防犯カメラ映像などを精査し、8度にわたる逮捕などを経て5人を立件。
線路に使われる銅製のケーブルが相次いで盗まれるという窃盗事件は、きょうをもって捜査を終結しました。